オリックスは山本由伸投手(25)の今オフ、ポスティングシステムを使っての大リーグ挑戦を承認したことを5日、発表した。

22年1月末の契約更改交渉で初めて、球団幹部にメジャー挑戦を直訴。球団側はリーグ3連覇に貢献した右腕の夢を後押しすることを決めた。米球団の注目度は日を追うごとに過熱し、目玉となることは確実だ。

   ◇   ◇   ◇

日本球界で数々の伝説を残し、山本が新たな道を歩み出す。「まず認めていただいた球団に感謝します。しっかり1人の選手として応援してくれたといいますか。しっかり理解してくださって本当にありがたいす」。日本シリーズ最終戦を終えた直後、かねて熱望していた今オフの大リーグ挑戦が認められた。

3年連続4冠、沢村賞を受賞し、今年もリーグ3連覇を成し遂げたチームの中心であり続けた。「とにかくチームが優勝することが、まず一番と思ってプレーしてました」。4日の第6戦(京セラドーム大阪)では、日本シリーズ新記録の14三振を奪う快投で9安打1失点で完投勝利。日本ラストマウンドで鮮やかな記憶を残した。

「たくさんいい経験もさせていただきましたし、すごく成長した7年間だったと思うので、本当に感謝です」。16年ドラフト4位で入団し、球界のエースにまで育ててくれた恩義は忘れることはない。

山本は22年1月末の契約更改交渉で初めて、球団幹部にメジャー挑戦を直訴。球団最高年俸の6億5000万円で契約更改した昨オフにも、球団側と話し合っていた。入団時の監督だった福良GMは「長い間話してました。由伸と」と明かし「由伸の夢なんで、そこは尊重しながら。これだけチームに貢献してくれたので。みんな本当に期待してます」と温かい思いで大エースを見守る。チームメートも「大きな背中を見せてくれました。一緒に野球がやれて幸せでした」と万感の思いで送り出す。

3月には侍ジャパンの一員としてWBCにも出場し、世界一を経験。米球団の注目度は日を追うごとに過熱し、GMクラスが直接視察することもしばしば。あるメジャー球団スカウトは「(総額)300億円もありえるよ」と話すなど、今オフの移籍市場の目玉となることは間違いない。

【関連記事】オリックスニュース一覧