ヤクルトは10日、茨城・守谷市と22年4月から協議を進めてきた同市への2軍施設移転について、基本協定締結を結んだ。茨城県庁で締結式に臨んだ衣笠剛代表取締役会長CEOは「うれしいと言いますか、まあ、念願がかなったっていうことでは、もうその言葉に尽きる」と喜びの声を口にした。

新たな施設の所在地は茨城県守谷市野木崎。常磐自動車道谷和原IC(首都高神宮外苑口から48キロ)から約5キロにあり、つくばエクスプレス関東鉄道常総線・守谷駅から約4キロ。本球場は観客3000席で、内野は人工芝、外野は天然芝、両翼100メートル、中堅122メートルとなっている。その他にサブグラウンド、室内練習場、選手寮、クラブハウスを完備。27年シーズンから開業予定となっている。埼玉・戸田の現2軍施設は、26年シーズンまでの使用となっている。

衣笠会長は、主な移転理由に戸田の老朽化を挙げた。当初は埼玉県内で移転に動いていたが、同県内の球場施設はほとんどが高校野球で春、夏のシーズンを利用することもあり、通年で使用出来ない。そこで、県外に視野を広げた。茨城はNPB球団の施設がなく、ヤクルトのホーム・神宮球場にも車で約1時間という点も考慮され、今回の決断となった。

同会長は「リーグ優勝の積み重ねでで、関東圏にも広く、ファンが増えています。茨城県民、守谷市民の皆さんにですね、来ていただきたい、それから、やはりプロ野球というですね、いわゆる醍醐味(だいごみ)のある試合を皆さん方に見ていただきたい」と話した。

19年には、台風19号の影響で、戸田球場が水没した。そのことも、今回の移転に大きく影響した。新たなファーム施設は、利根川、鬼怒川の分岐部。浸水想定のエリアではあるが、施設、総合公園含めて、盛り土をして地盤を約2メートル上げる対策を講じる。調節池の機能をアップし、鬼怒川の堤防強化も進めている。

同会長は「私の印象としては戸田が水没した時、あの様を見てですね。たまたま、イースタン・リーグが終了してから水没しましたので、他球団には、迷惑をおかけしなかった。あれが、いわゆるイースタン・リーグ開催中ということになると、多大なご迷惑をおかけするようになりますので、それは、ずっと、いつ台風が来て、台風の進路は、など、確認をしておりました。今回、守谷に来ることによって、その心配は、払拭できたかなと思います」と説明した。

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