侍ジャパン井端弘和監督(48)が10日、宮崎キャンプで巨人との練習試合で初めて指揮を執った。特別ルールで実施した試合は0-1だったが、打線にはノーサインで打たせ、守備では二遊間を変幻自在に操った。「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(16~19日、東京ドーム)を想定したタイブレークの練習では、あえて不利といわれる先攻を選択した。12日に広島との練習試合(宮崎・清武)で仕上げ、本番に臨む。

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“初陣”に勝てなかったことよりも、“本番”で勝てるであろう手応えの方が上回った。井端監督は「よかったですね、非常に。点が取れていないので、試合も負けてしまいましたが、内容はみんなよかったので。非常に明るくできた」。試合は無得点も、7安打に加えライナー性の惜しい当たりもあった。

若侍の可能性を広げるため、“井端式”で初陣に臨んでいた。打ってこそ、勝利を呼び込むことができると信じている。何よりも、選手に自信が芽生える。だから「1回も出してない」と得点圏でもノーサインで自由に打たせた。16日の台湾との初戦に向けて打席数を確保し、実戦感覚を養うことを最優先。一方で、金子ヘッドとは本番を想定しながら、ベンチでサインを擦り合わせた。「ある程度イメージはあった」。12日の広島戦ではよりベンチワークも積極的に仕かける。

二塁小園、遊撃門脇の二遊間「カドゾノ」が1回に併殺プレーを成功。6回の守備から遊撃に野口を入れ、門脇を二塁に置き「そこを試せたのはよかった」。試合途中でも、変幻自在に二遊間を操った。

試合後のタイブレークの練習では不利だといわれる先攻をあえて選択した。「先の攻撃が難しい。打者の兼ね合いで、犠打にするのか打っていくのか。先に試したいというところで先攻にした」。無死一、二塁から代打石橋が犠打失敗。それでも1番藤原が2死満塁とし、岡林の適時打で2点を奪った。「次は(犠打を)決めてくれると思います」。すべては本番のため。阪神組が合流し、全員集合した侍ジャパン。「このまま状態を上げていければいい」と、さらなる化学反応を起こしながら上昇気流に乗せていく。【栗田成芳】

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