さあ、初陣だ。16日開幕の「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」を控えた参加4チームは15日、東京ドームで公式練習に臨んだ。侍ジャパンの初戦の相手は台湾。5番での起用が濃厚の佐藤輝明内野手(24)が同学年で4番に座る牧秀悟内野手(25)との共闘で大暴れを誓った。

普段は敵地の東京ドームで、佐藤輝は何度も、スタンドに弾む打球音を響かせた。「本番でもしっかり打てるように、調整して頑張りたいと思います」。予行演習はばっちりだった。

ルーキー森下がフリー打撃で3連発を見せた直後に、打撃ケージの中へ。序盤こそポップフライも多かったが、フルスイングを続けるうちに、だんだんと持ち味が戻ってきた。連発、連発のあとに3連発を披露。計34スイングを終えて、12本の柵越え。右翼最深部へ運ぶ大きな当たりも放ち、上昇気配をただよわせた。

12日の広島との練習試合では5打数無安打だったが、しっかり切り替え修正。決戦に備えて、前日はゆっくり休養日に充てた。「リラックスしましたね~。もうしっかりご飯食べて、休んでってところですね」と充電は完了した。

期待される役割はしっかりと自覚する。「長打力を求められていると思いますし、しっかりランナーがいる場面でランナーをかえせるようにしたいです」。井端ジャパン初陣となる16日の台湾戦では、4番牧に続く大事な5番を任される見込み。「やっぱりいっぱい塁に出てくれると思うので(笑い)。自分はみんなをホームにかえせるように頑張りたいですね」。同い年で仲のいい主砲への信頼感を口にしながら、その勢いに佐藤輝もがっつりと乗るつもり。気心の知れた牧とタッグを組み、最強の主軸になる。

初戦でぶつかる台湾の先発投手は古林睿煬投手(23)。最速157キロを誇る右腕は、これ以上ない腕試しの機会になる。「もう勝つということを一番に、それぞれ個々の役割をしっかり全うして、勝っていきたい。気を引き締めて、頑張りたいと思います」。日本一の次はアジア一。本番でも心地よい打球音を響かせる。【磯綾乃】