プロ野球12球団のオーナー会議が22日、都内で行われ、来季は打者交代30秒以内を徹底することが確認された。

前の打者がアウトになったり出塁したりしてから、次の打者は30秒以内に構えるというもの。明文化された規定ではないが、従来からの運営目安として存在する。徹底することで時間短縮を図る。

日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「1つの目安だが、これを守ることにまず取り組んでいく。投球間隔5年分の平均値を出した。その結果、23年シーズンはNPB全体で36・9秒だった。30秒より、6・9秒多い。打者間の回数は1試合(平均)55回。6・9秒かける55回が、1つの時間短縮になる。それを守ることで、きびきびした動きになると考えている」と説明した。

今季の1試合平均時間は3時間7分(9回試合のみ)。NPBとしては、2時間50分から3時間を目標としている。6・9秒かける55回の379・5秒、およそ6分20秒の短縮ができれば、目標時間に近づく。

今回の時間短縮策は、3ステップで計画。まずステップ1として、来季から1軍で30秒以内の交代を徹底、2軍では30秒を計るタイマーも設置し、さらに投球間隔も計る。ステップ2では30秒を25秒と、さらに短縮する。ステップ3で、時間を守らない場合の罰則を検討するというものだ。いつからステップ2、3に移行するかは決まっていない。

打者が打席に向かう際に流れる出ばやしは10秒以内という目安もあり、こちらも順守する。打者がアウトになった後の内野のボール回しも制限される可能性がある。

時間短縮については、7月のオーナー会議で、MLBが導入したピッチクロックについてNPBでも導入可否を検討するよう指示が出された。ピッチクロックの導入について、現時点で結論は出していない。会議議長の西武後藤高志オーナーは「どうやったら、きびきびと試合時間を短縮できるか、いろいろな分析などを加えた結果として、例えばイニング間だったり、打席間隔だったり、そういったところで時短をまず実現していこうということ」と説明した。