阪神の日本一・リーグ優勝祝賀会が29日、大阪市内のホテルで盛大に開催された。

岡田彰布監督(65)は集まった財政界のVIPたちに力強く連覇を約束。前日28日には都内でNPBアワードに出席するなど、超多忙な中でもサービス精神を忘れず、佐藤輝明内野手(24)を壇上でイジり笑いをとった。約500人が集まった豪華な夜も「岡田節」は止まらなかった。

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関西の政財界の大物たちが「岡田劇場」に引き込まれた。約500人が集結した大阪市内のホテルの大会場。岡田監督が祝賀会冒頭のあいさつで笑いを起こした。「期待度がすごく高くて、心の中では『そんな監督代わって1年目で優勝できるか』と、いつも思ってた」。スマートフォンのカメラを構えた来賓たちに笑みがこぼれた。

来季のスローガンに「アレ」と連覇をかけた「アレンパ」を提案した佐藤輝を「まさか佐藤の口からね、すごい言葉が出てくるとは。今年のバッティングよりも、ずっとアレンパの方がよかったからね。最後にね、やっと『あ、できるんだ』と思ってね」と、お約束? の流れでイジると、また笑いが起きた。スクリーンに映し出された佐藤輝は苦笑い。27日の尼崎市優勝報告会でもあった掛け合いは、完成度が高まっていた。

佐藤輝には祝賀会終了後の取材で「とれるんやったらとったらええけどな」と本塁打王指令を出した。若手が多いチームは「これから2、3年は一番いい時ちゃうか」と伸びしろたっぷりと見ている。大イジりだけでなく期待も大きい。

前日28日にNPBアワードに出席していた指揮官は「昨日見てみ、最下位チームは1人ずつやんか。岡林と万波て。一番多かったのはオリックスやろ」とタイトルホルダーの数がチームの強さと直結していると力説。「3連覇しているチームやから、個人記録もちゃんとしてるっていうことや」。佐藤輝らがグッと成長し虎でタイトル独占となれば…。リーグ3連覇のオリックスのような黄金時代への道筋も見えてくる。

5日に日本一をつかみ取った後は秋季キャンプ、優勝パレード、球団納会と超多忙だが、VIPたちに極上の岡田節を届けた。「また強いチーム作ってね。なんとか初めての連覇というのをね、達成して。また1年後ね、こういう会をしたい」。最後は壇上で力強く誓った。特製ハッピを着て鏡開きを行い、演歌歌手丘みどりの「六甲おろし」で締めた豪華な2時間。「足が棒になったわ」と笑ったが、それも幸せなひとときの証しだった。【中野椋】

◆監督、コーチ、選手を除く主な出席者 佐藤茂樹(衆議院議員)、山田賢司(衆議院議員)、吉村洋文(大阪府知事)、斎藤元彦(兵庫県知事)、石井登志郎(西宮市長)、松本眞(尼崎市長)、松本正義(関西経済連合会会長)、日笠弥三郎(近畿運輸局局長)、川藤幸三(阪神タイガースOB会会長)、吉田義男(阪神タイガース元監督)、秦雅夫(阪神電鉄取締役会長)、杉山健博(阪神タイガースオーナー)、久須勇介(阪神電鉄社長)、百北幸司(阪神タイガース社長)=順不同、敬称略

<日本一後の岡田監督スケジュール>

◆5日 38年ぶり日本一

◆6日 深夜のビールかけなどで睡眠時間3時間。大阪市内の阪神電鉄本社で杉山オーナーに、シーズン終了の報告

◆9日 甲子園に姿を見せて取材対応

◆10日 秋季キャンプが行われている高知入りし、高知空港でセレモニー後にホテルへ移動

◆11~19日 秋季キャンプで新戦力発掘に目を光らせ、熱血指導する場面も。14日には正力松太郎賞を受賞

◆22日 神戸市内でタイガース杯ゴルフに参加

◆23日 兵庫・神戸市の三宮と大阪市の御堂筋での優勝パレードに参加

◆24日 兵庫・三木市内のゴルフ場で実施されたサンテレビの「レッツゴー! タイガースゴルフ2024」に参加

◆25日 66歳の誕生日は甲子園で行われた「ファン感謝デー2023」に参加し、ファンからハッピーバースデーの大合唱を受けた

◆27日 優勝報告会で尼崎市と西宮市で日本一を報告。その後西宮神社と広田神社を参拝し、大阪市内のホテルで開かれた球団納会に出席

◆28日 東京都内で開催されたNPBアワードに出席し、セ・リーグ最優秀監督賞と正力松太郎賞の表彰を受ける

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