そら「アレ」が大賞よ! 今年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」が1日に都内で発表され、阪神岡田彰布監督(66)が「アレ(A.R.E.)」で年間大賞に輝いた。野球界からは21年の「リアル二刀流/ショータイム」、昨年の「村神様」に続いて3年連続の快挙。指揮官は座右の銘「道一筋」をレジェンドOB村山実氏の「球道一筋」に変更することを明かし、球団初の連覇へ決意を誓った。

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野球界の枠を飛び越え、「アレ」が23年の言葉の象徴となった。黄色のネクタイを締めた岡田監督は「勝利監督(インタビュー)よりもうれしいですね」と白い歯をこぼした。

オリックス監督時代の10年、交流戦で勝利を重ねる中、選手が意識しすぎないように「優勝」とは言わず「アレ」と表現したことが起源。「オリックスの時も言ったけどインパクトがなかった」と笑わせた。13年がたち、今年ついに38年ぶりの日本一を成し遂げた阪神のシンボルに。阪神関連では過去に03年「勝ちたいんや!」など3度ノミネートされていたが、年間大賞は初めての快挙となった。

本来はプレッシャーをはねのけるための「アレ」。ただ、壇上では「もう1つ(理由が)ある」と切り出した。「近くにある『コレを取って』っていうのは手が届く。『あちら』というと遠い感じがする。タイガースはもう少しで優勝までいってるのに負けてしまう。『アレ』は『もう少し』っていうのが加味されるというので、ちょうどいいなと」。実は18年ぶりのリーグVへの熱い思いが隠されていた。

一方で、座右の銘「道一筋」を「アレ一筋」に変えるか? と司会者に問われると否定。「憧れの村山さんにあやかって『球道一筋』。球を付け足したい」と明かした。幼少期、大阪・玉造の実家に飾られていた阪神OB村山実氏の「球道一筋」のサインを見て育った。阪神監督初年度の04年からは「全部の文字をもらうのは失礼」と球を外して「道一筋」と色紙にしたためてきた。

「球道というのは王に求めるで、王の道を求める、と(いう意味)。日本一になって認められたら球をつけようと思っていたんで」

日本一後も色紙を書くタイミングはあったが「全然忘れてたわ」と苦笑い。24年1月1日から「球道一筋」と記すつもりだという。来季歩むのは王、すなわちセ・リーグ王者として球団初の連覇への道。「なんとか、来シーズン初めての2年連続優勝を」と決意を新たにした。【中野椋】

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