これも運命なのか。侍ジャパンの監督として、大谷翔平投手(29)とともに3月のWBCで世界一に輝いた栗山英樹氏(62)が15日、岩手・花巻で講演を行った。花巻東高が主催した会で「夢は正夢 大谷翔平との世界一への歩み」と題し、1時間以上にわたり語った。くしくも、大谷がドジャースへの入団会見を行った日に、大谷の母校の後輩たちと交流。不思議な巡り合わせだった。
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熱弁を終えた栗山氏は感慨深げだった。「いやいや、あり得ないよね。こんなの。やっぱり翔平の持ってる運命というか。ここに呼ばれてる。『次の若い世代に、僕の代わりに』と。使命というか、流れというか、縁というか。そういう物語感は感じるよね」。学校に隣接する体育館には佐々木麟太郎内野手(3年)ら野球部員を含む生徒約600人に市民も駆けつけ、3000人の超満員。講演日時は前から決まっていた。たまたま入団会見と同日となったことが、大谷の“導き”のように感じられた。
栗山氏にとって、花巻は思い出深い土地だ。日本ハム監督に就任する前、取材者として菊池(現ブルージェイズ)や大谷を見るため、たびたび訪れていた。前夜は花巻温泉に宿泊。朝、入団会見を見届け「まさか、花巻で見るとは。すごくうれしそうにしゃべってました。これからが本当のスタート。チームを勝たせるため、集中して野球ができる。楽しみ」と喜んだ。愛弟子へのメッセージを問われると「元気で、野球楽しんで下さい!」。8000キロ以上離れていても届くような声だった。
大谷の後輩たちには「“できない”という言葉を頭の中から、なくして下さい」と訴えた。「(大谷は)自分ができると思って信じてきたことを、みんな驚くようなことを、いくつもやり遂げてきた。信じなければ何も生まれてこない」という思いがある。スポーツ史上最高額の契約からの新たな出発。生の第一声が発せられた日に、本人と同じだけ成功を信じてきた師の言葉が、若者たちに届けられた。【古川真弥】
○…「できない」を頭の中からなくす、という栗山氏のメッセージは生徒たちに届いた。野球部の千葉柚樹前主将(3年)は「自分も『できない』と思ってしまうことがあります。高いレベルでも達成しないうちは、やってみるということ」と解釈。大谷先輩の存在については「野球にひたむきに取り組む姿勢を聞いた。参考にしたい。野球以外でも学ぶことが多い」と話した。



