頼もしい「3冠王」宣言の愛知県出身コンビを先頭に、優勝に導く。

東京6大学リーグの早大が17日、東京・東伏見の同大グラウンドで年内の練習を納めた。

勝ち点を挙げれば20年秋以来の優勝となった今秋の早慶戦では、初戦で逆転サヨナラ勝利。優勝へ王手をかけるも、あと1歩のところで優勝に届かなかった。

新チームから主将に就任した印出太一捕手(3年=中京大中京)は今秋を振り返り、「自分がなかなか結果を残せなくて、足を引っ張り続けた1年だった。この負けを無駄にしないように、意味があったんだって示すことが、自分らにできることだと思います」と悔しさを糧にする。

言霊を大事にしているという印出は来季の目標に「3冠王」を掲げた。「早稲田で4番を打って、下級生から使っていただいているので。監督さんから主将とは別に、選手としてかけてくださった期待に応えるべきだなと思います」と早稲田で過ごした集大成を、ラストシーズンにぶつける。

副将を務める吉納翼外野手(3年=東邦)は「印出とも言っているんですけど『僕たちがやるしかない』」と下級生から、主力となって戦ってきた2人の責任感は強い。

新体制から2学年上の西武・蛭間や、高校の先輩である熊田任洋内野手(4年=東邦)がつけた「背番号1」を託されている。吉納は「蛭間さんや熊田さんは目指している選手像で越さなきゃいけない。蛭間さんが大学生の頃、困ったときはいつも蛭間さんのバッティング見て学んでいました」と憧れの先輩が担ってきた背番号を誇りにしている。練習納め後の写真撮影時も、迷わず「背番号1の1です!」と「1」のポーズをつくった。

今秋は打率3割2分4厘の好成績を残し、ベストナインを獲得した。だが、一番目標にしていたタイトルは3冠王。吉納は「慶応の栗林選手が目の前で受賞されているのを見て、やっぱり悔しい気持ちがありました」と率直な気持ちを明かした。あの悔しさを晴らすために。「来季は絶対に3冠王取ってやるという気持ちでいっぱいです」と打率4割超えを宣言した。

小宮山悟監督(58)は印出と吉納について「高校生の時から早稲田でっていう思いを持って入学してきたのでね、最上級生になったときはそりゃ中心選手にならなきゃいけないわけですから。良いあんばいでキャリアを積んできた。存分にそれを生かして、リーグを代表する選手になってもらいたい」と2人の背中に期待を込めた。