DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が8日、神奈川・横須賀市内の球団施設DOCKでスタートした新人合同自主トレを快調に滑りだした。三浦大輔監督(50)が見守る前で、明るく声を出しながらノックや打撃練習で汗を流した。順調にいけば2月の春季キャンプで1軍スタートが濃厚。グッズ売り場には開場前から約600人が長蛇の列を作るなど“DOCK史上最大”のフィーバーとなった。

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度会が優雅なたたずまいでファンを魅了した。黒のヘアバンドでサラサラヘアーをまとめ、元気いっぱいに声を張り上げた。ノックやキャッチボールでは「お願いします!」「いいねー!」と、声で緊張気味だった新人たちの雰囲気を打破。視察した三浦監督から「明るくて、元気もある。元気があれば何でもできますから」と、プロレスラーの故アントニオ猪木さんの名言で歓迎された。

“イチ流”の教えを実践した。2年ほど前から交流があるイチロー氏との年明けの食事会で教わった極意に「見栄えが良いようにやりなさい」という言葉があった。助言通りイチロー氏のように軽やかなランニングフォームを披露。打撃練習後のボール拾いでも「ちょっと忘れてました…」と苦笑いしながら、片足を引いて上品に拾い上げるイチロー流をまねた。

そんなルーキーをひと目見ようと、約600人のファンが集結した。特設グッズ売り場には長蛇の列ができ、午前中に度会のアクリルスタンドキーホルダー約200個が完売。グッズ担当者は「過去に例を見ない盛り上がり」と驚きの表情だ。19年に完成したばかりの球団施設DOCKにとっては過去最大のフィーバーぶりも、度会本人は「見られる中でやるという緊張感もあるし、楽しさもある。いい緊張感でやれているかなと思います」。新人ながら肝が据わっており、スター性も備えている。

練習前には、三浦監督から「常にDeNAの一員だという誇りを持った行動をしてください」と訓示を受けた。ケガなく順調にいけば、2月に沖縄・宜野湾で行われる春季キャンプの1軍スタートが濃厚だ。「注目していただいてやれることに感謝して、毎日成長できるようにやれたら」と度会。24年シーズン、球界に大フィーバーを起こす。【小早川宗一郎】

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