反撃のチャンスが巡ってきた。巨人ドラフト1位の西舘勇陽投手(21=中大)が12日、都内で行われた新人選手研修会に出席。東都大学リーグで投げ合い、阪神に入団した下村海翔投手(21=青学大)と言葉を交わした。大学時代からしのぎを削ってきた両右腕は、プロの舞台でもライバル球団に身を置く。「まず投げ合うために自分が1軍に上がらないといけない」と力を込めた。

屈辱を味わった。大学3年春のリーグ戦で、青学大、中大、日大が勝ち点と勝率で並び、同リーグ史上初の入れ替え戦行きをかけた三つどもえの「最下位決定プレーオフ」が行われた。負ければ最下位が決まる青学大との一戦で、2点リードの7回からマウンドへ。7回に同点に追いつかれると、9回には勝ち越しを許して敗れた。普段物静かな西舘がチームメートの前で「僕のせいで負けた。すいません」と泣き崩れた。一方の下村は6回無失点で勝ち投手。明暗がハッキリ分かれた。

舞台はプロに移った。ライバルとはお互いドラフト1位。偶然にも伝統ある2球団で火花を散らすことになった。昨季、巨人は対阪神6勝18敗と大きく負け越し。個人としても、チームとしてもライバルへの反撃は必至となる。「まずは開幕1軍」と足元を見つめ、反撃のチャンスをうかがう。【黒須亮】

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