今年も“開国のまち”から外野レギュラー奪取の大航海をスタートさせた。日本ハム五十幡亮汰外野手(25)が12日、静岡・下田で自主トレを公開。昨年に続いて広島秋山に師事し、この日も吉佐美運動公園では打撃の熱血指導を受けた。さらに天然の砂のゲレンデこと田牛(とうじ)サンドスキー場では斜度30度の砂浜を激走。技術と精神力を鍛え、大補強で激化するチーム内競争を勝ち抜くことを誓った。

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最後の練習メニューは「一番きつい」練習だった。舞台は、太平洋が目の前に広がる田牛サンドスキー場。波や風が海岸の崖から削り取った石や砂が、強風で吹き上げられてつくられた天然の砂浜斜面だ。「ボロボロになる姿、撮ってください」と挑んだ斜度は30度。足が砂に取られながら何本も駆け上がり、最後までやりきった。

五十幡 やはりきつかったっすね。しんどい時に、どう頑張るかも結構大事。技術につながるかはわからないですけど、つながると思って“もう一踏ん張りだ”と意識してやりました。

レギュラーを取るという強い気持ちとともに、秋山からは連日、打撃で熱血指導を受けている。この日も「力みがちでトップから無駄な力があるのが癖だと思うけど、という話で。ボールを打つ時の流れを大事にしてバットの出方も意識すれば率も上がってくるんじゃないかと。すごく勉強になってます」と感謝した。

自身も新たな取り組みとして「野球は目が命。視野の引き出しを広げようと」と昨年12月からビジョントレーニングを導入した。この日は自ら発案したサングラスの右側だけテーピングで見えなくして打つ“海賊トレ”も敢行。工夫も加えて“目力”もアップ中だ。

特長が似た俊足の新助っ人スティーブンソンも加入し、外野レギュラー争いは激化が予想される。

五十幡 自分は結構チャンスをいただいていた。昨年よりチャンスは少ないと思う。今年はケガをしないで、結果で示してレギュラーをつかみにいきたい。

6日から行っている合同自主トレは14日に打ち上げ予定。「年が明けて、またここでスタートできてうれしい。秋山さんに、すごく感謝している」という五十幡が心身ともバージョンアップし、今年こそ“開国のまち”から飛躍の大航海へ向かう。【木下大輔】

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