今度は自分が勇気を届ける。楽天のドラフト7位・大内誠弥投手(17=日本ウェルネス宮城)が20日、他の新人選手7人と出身地でもある東松島市の被災地を訪問。震災復興伝承館と、野蒜小学校跡地を宿泊施設として再利用した「KIBOTCHA」を訪れ、当時の映像や被害の写真を見て、東日本大震災に触れた。
11年3月11日、5歳だった。当時、近くの矢本二中に避難。目にした光景は今も脳裏から離れない。「覚えているのは、3階の窓から校庭を見て、車が洗濯機のように津波でぐるぐる回っていたこと」。雪が降る中、カーテンを布団に机の下で睡眠を取った。震災発生から3、4日間を中学校で過ごし、親戚の家に船で避難。住んでいた家は泥まみれになっていたという。
震災で大切な思い出もかき消された。2日前の3月9日が誕生日。プレゼントにキックスケーターをもらった。「10日はそれで遊んだ」。翌11日、大事な贈り物は津波に流された。「1日しか遊べなくて、すごく悲しかった覚えがある」。幼い頃に感じた津波の記憶は今も色濃く残っている。
元気と勇気をくれたのが、13年に日本一となった楽天だった。小1で野球を始めたばかりの大内も、その姿に力をもらった。「あの時、自分が勇気づけてもらった。それを今度は返す立場」。楽天の一員として、東北を勇気づける選手になる。【濱本神威】



