「感謝」を忘れず、マウンドに上がる。楽天ドラフト2位の坂井陽翔(はると)投手(18=滝川二)は、最速149キロを誇る本格派右腕。激戦区・兵庫で甲子園出場はないが、楽天が同2位で高校生投手の交渉権を獲得したのは、9年ぶりとなった。上位指名を受け、数年後は先発投手の一角に注目される右腕が決意を新たにした。
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186センチ、88キロの長身から、伸びのある真っすぐが投げ込まれる。ドラフト2位で坂井の交渉権を獲得後、球団は「長身から投げ下ろすストレートには角度があり、空振りを取ることができる魅力がある」とコメントした。持ち味を生かし、長く活躍するために最初のステージを大事にする。「シーズンを通してケガをしないような、強い体を作りたい」と力を込めた。
小中では制球に苦しみ、四球から痛打されるなど、ゲームメークが苦手。だが、滝川二で転機が訪れた。指導者の指導も大きかったが、「一番は自分でどうしたらいいかを考えたことが大きい」。ウエートトレーニングなどを経て、高校入学時の最速129キロから149キロに20キロアップ。昨春はエースとしてチームを県準V、同夏は4強入りに導いた。ゲームメークは「プロになって通用するか分からない」とした上で、9回を投げきるためのペース配分、イニングを意識した“3段階のギアチェンジ”が可能になった。
大切にする言葉は「ありがとう」。中学時代に指導を受けたコーチが「ありがとうを(チーム)全員に浸透させるように言っていた。一番基本だと思うので、忘れないようにしている」と坂井。高校からその5文字をグラブに刻み、プロ入りが実現した。支えてくれた人に恩返しができるように新天地で高みを目指す。「目標とするのは、楽天を日本一に導けるような投手。その中でも個人としてはメジャーリーグに挑戦したい」。大きな夢へと続く、スターロードを突き進む。【相沢孔志】
◆坂井陽翔(さかい・はると)2005年(平17)4月5日生まれ、兵庫県加古川市出身。滝川二では3年春に県準優勝、同夏は県4強。甲子園出場はなし。23年ドラフト2位で楽天入団。186センチ、88キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は600万円。憧れの選手はドジャース大谷翔平。



