支配下どころか開幕スタメンあるよ! 阪神育成ドラフト2位の福島圭音(けいん)外野手(22=白鴎大)が12日、「プロ初盗塁」で岡田監督に強烈なアピールを決めた。2日続けて沖縄・宜野座で行われた1、2軍合同紅白戦に途中出場。6回の2試合連続適時打に加え、7回には二盗を成功させた。指揮官は16日からの第4クールでの1軍キャンプ合流を明言し、オリックス茶野篤政外野手(24)のようなサクセスロードに期待した。

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背番号126が迷わずスタートを切った。7回裏。岡田監督が「クイックが速いからな」と評価する佐藤蓮のモーションを盗んだ。捕手片山が素早く送球すると、鋭いスライディングで砂けむりが舞った。二盗を決め「プロ初盗塁」だ。5回の守備から途中出場していたため、特別ルールで井坪の代走として出場。初球に思い切りよく走った。

岡田監督はこの日の朝のコーチとのミーティングで、16日から始まる第4クールでの福島1軍昇格を決めていた。「いい足してるで、あれは。糸原と原口と3人上げよう言うて。2軍で走ってもしゃあないからな」。6回2死一、三塁ではドラフト6位右腕津田から右前適時打。前日11日の紅白戦から2試合連続適時打だ。さらに「シートノック見とっても一番肩ええよ」。走攻守で輝きを見せたルーキーを大絶賛した。

このまま結果を残し続ければ…。開幕前の支配下登録について「可能性はあるよ」と言い切る。「茶野か。去年ずっと1番打っとったやんか。そういうケースも、そらあるやん」。昨年開幕前に支配下契約となり、NPB史上初となる育成入団1年目で開幕スタメンをつかんだオリックス茶野を引き合いに出すほどの期待感を持っている。

今後も練習試合、オープン戦で積極起用する方針。「代走で出て守備固めいう形から入ってもええわけやから。それからバッティングようなってもええわけやから。周東なんか、ほとんど最初、代走ばっかりやろ」。今や侍ジャパンの常連にもなっているソフトバンク周東のように経験を積ませていくつもりだ。

背番号2桁どころか、レギュラー争いのダークホースとなる可能性を秘める男は「自分も育成で指名されたときからずっと(開幕スタメンは)目指しているところなので。足りないところはいっぱいですけど、成長していけるように」と力強い。虎のケインが、さらに加速する。【中野椋】

◆福島の春季キャンプVTR 沖縄・うるま市での2軍キャンプスタート。第1クールの4日に球団OB赤星憲広臨時コーチが具志川球場を訪れ、走塁指導を受けた。スタート時に右足を一塁ベース側に引いてしまう悪癖を指摘され、スピードのロスにつながると認識した。11日の紅白戦では遊撃への適時内野安打を放ったものの、盗塁を決めることはできず。試合前には近本から「足が速いだけじゃなくうまさも必要」と金言を授かっていた。

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