さあ、外野バトル本格化だ。阪神森下翔太外野手(23)が23日巨人戦(那覇)から始まるオープン戦を前に日刊スポーツのインタビューに応じた。キャンプ序盤から岡田彰布監督(66)から愛あるダメ出しを受ける2年目は、レギュラー争いに向けて結果を残すと宣言。将来的な目標は「世界で通用する打者になる」と熱い思いを語った。【聞き手=波部俊之介】
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-今キャンプ、打撃の調子は
「しっかり毎日毎日、課題を持って取り組めているので。充実していますし、良い時も悪い時もありますけど、成長はしている。順調だと思います」
-プロ1年目の昨シーズンを振り返って
「去年はいい時も悪い時もあったので。ムラというのが、自分の中ではすごく嫌だった。ムラをなくすためにコンタクト率だったりを、まずは向上させたい。もっとシンプルにバットを出したいなと、オフシーズンは取り組みました」
-ピート・ローズ型のバット。使用の狙いは
「自分の癖として、振り始めで緩くバットが出てきてしまう。それは(バットの)末端を使っているから緩くなるので。体幹をしっかり使った中で振りたいというのがあって、そういう意味では根元が太いバットの方が体幹をより使わないと振れない。そういう目的で使っています」
-バットはシーズンでも使っていく?
「まだ決めていないですね。自分の、その時、その時に合ったバットを選んで打ちたいと思っています」
-理想の打球は
「まだちょっと模索中という感じです。今はやるべきことをやっている感じ。ダメなことが当たり前と思ってやっているので。全て成功しないと思って、失敗していい時期だと思っている。やりたいことをしっかりやっていく中で、課題を見つけて修正する感じ。打球の質というよりスイングを中心に考えて、体を使ったロスのないシンプルなスイングを目指しています」
-フリー打撃で取り組んでいること
「1つはタイミング。あとは打球角度が、去年の平均が10度ぐらいしかなかったので。角度の上げ方を工夫して頑張っている感じですね。大体15度が平均的に良いバッターの角度。1クールやって、別のところを直せば角度がつくとか。そういう1つ1つのところを少しずつ変えてやっています」
-開幕までどう仕上げる
「コンタクト率を上げることをやってきたので、どんどん芯で、バチバチ捉えられる形にしたいです」
-同期野口の存在
「やっぱり刺激は受けますし。負けていられないなというのはもちろんですね」
-23日巨人戦からオープン戦が始まる。昨季は結果を残して開幕スタメンを勝ち取った
「練習試合は結果にはこだわらなくていいかなと思っていましたけど、3月のオープン戦とかになるとレギュラー争いとかもあると思う。そこでしっかり結果を残せられれば」
-プロ野球選手としてどのように成長していきたい
「これからの結果を見てみないと分からないですね。また1シーズン終わって、自分が打ってみた感覚を照らし合わせて。第三者が見た感想も踏まえて、こうなっていたからこうした方がいいというのをどんどん積み上げていく形。いま自分が取り組んでいることは、自分ができる範囲内の最大。できないといけない幅で言えば、まだ全然できていない。だけど今、そこまで目指そうと思ったらシーズンに追いつかなくなってしまう。今できる、自分の能力の最大値を目指しています」
-将来的にはどういう打者を目指す
「完成形はないですけど、世界で通用するバッターになりたいと思っています」
-伸ばしたい部分
「打撃が一番(印象に)残りやすいので打撃なんですけど。やっぱりチームに対する貢献度というのもある。メジャーとかだと、そういうところが結構評価される。それで守備走塁も良いとかなら、なおいいと思うので。結局全部ですね」
-侍ジャパンはアピールチャンス
「もちろん選ばれる機会があったら毎回選ばれたいですし、やっぱり日本が強いというのも世界は分かっている。その中で活躍を印象づけられたり、そういうところが唯一できる場だと思うので。日本を背負ってやりたい気持ちは強いです」
-今秋プレミア12、26年WBCは絶対出たい
「そうですね。出て第一線でやりたいです」
◆岡田監督の森下に関する発言 1月24日の大阪市内でのトークショーでは、森下の右翼などのレギュラーについて「分からんよ」と確約しない姿勢を打ち出した。キャンプ初日2月1日のフリー打撃で58スイング中サク越え1本に終わった森下に「あれじゃ打たれへんのちゃうか」とバッサリ。2月16日付の日刊スポーツ大阪版では緒方孝市氏との対談で本音かジョークか「そんなに期待してない。打ったらもうけもん」と語った。前川が20日サムスン戦でアーチをかけると頭1つ抜けた存在として絶賛。外野バトルの競争をあおった。
◆森下の昨季開幕まで オープン戦初戦の2月25日ヤクルト戦に初出場。右翼の守りから途中出場したが、2打席ノーヒットに終わった。同26日には3番右翼で日本ハム戦に初スタメン出場し、3安打の固め打ちを見せた。3月10日の日本ハム戦では、1号2ランを含む3打点の活躍。チームのオープン戦全17試合に出場し、3本塁打、16安打、8打点、打率3割1分4厘と4部門でトップとなった。3月31日の開幕戦DeNA戦にも6番右翼で先発出場した。