熱視線を送る両親に快音を届けた。ロッテのドラフト1位上田希由翔(きゅうと)内野手(22=明大)が韓国ロッテとの練習試合に「3番一塁」でスタメン出場し、3安打2打点の活躍。「最初に比べても徐々に振れてきてますし、しっかり対応もできてる」としながら「ここからピッチャーのレベルも上がっていく中で、自分がどんだけやれるのかなっていうのは安心しているところは全然ない」と先を見据えた。

バックネット裏には応援に駆けつけた父節二さん(53)、母恭代さん(55)の姿が。1点リードの7回1死満塁のチャンスで上田に打席がまわってきた。節二さんは「満塁のときは今まであまり良い結果を見たことがなかったので、ドキドキしていました」と思わず前かがみに。だが、その不安を吹き飛ばず中前2点適時打に「ほっとしました」と笑顔で胸をなで下ろした。本人も「プロ野球選手としての初めての試合を見てもらったと思うので、いい形で結果出せたのは良かった」と笑みがこぼれた。

これまでは一塁か三塁を守ってきたが、試合後には約1時間、金子戦略コーチ、根元内野守備兼走塁コーチとともに、二塁で守備練習。「サードとファーストだと足を動かしてっていうのが、ちょっとずつ少なくなってきちゃうので、足を動かす意味でも」と意図を説明した。居残り練習後は撮影していたテレビクルーに「客観的に見てみたい」と直談判。カメラの映像を入念にチェックした。

まずは開幕1軍を勝ち取る。「あんまり先を見ず1日1日、自分の全力で、練習でも、試合でも、全力で臨んでいけたら」。最後まで残ってくれたファンにまっ黒になった手でサインのファンサービスをし、球場を後にした。【星夏穂】

◆ロッテの一塁&三塁争い 一塁には今季加入の18、19年本塁打王で前DeNAソトがいる。三塁は内野シャッフル構想により二塁からコンバートとなった昨年ゴールデングラブ賞受賞の中村奨や安田が定位置争いをしている。

【関連記事】ロッテニュース一覧