今季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入するくふうハヤテが27日、ちゅ~るスタジアム清水で社会人野球のENEOS(神奈川)に6-15で完敗した。今季2戦目の対外試合で、投手陣が16被安打12四死球と乱調。3月から始まるオープン戦(春季教育リーグ、10試合)に向けて課題を残した。

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完敗だった。先発の藤本颯太投手(23)が3回5失点でKO。8四死球と制球が定まらず序盤で歯車が狂うと、2番手の前DeNA田中健二朗投手(34=常陽学園菊川高出)も4連打を浴びて2回7安打5失点。終盤に3失策と守備のミスも重なり大量失点を喫した。都市対抗野球で歴代最多12度の優勝を誇る企業チームに屈した赤堀元之監督(53)は開口一番「負け方が悪い」。登板した5人の投手陣には「まだまだ技術不足。もっと練習していかないといけない」と語った。

敗戦の中でも中軸のベテランが、健在ぶりをアピールした。「3番・遊撃」で先発出場の元DeNA倉本寿彦内野手(33)が2打数2安打。さらに「4番・一塁」で前ロッテ福田秀平内野手(35)が2打席連続の適時二塁打で3打点。順調な仕上がりに「たまたまです」と謙遜する福田。第1打席は直球、第2打席はチェンジアップを十分に引きつけて左中間に運ぶ、技ありの一打で「らしさ」を見せつけた。

次戦は3月1日、春季教育リーグ初戦で中日(ナゴヤ)と対する。指揮官は「シーズンに向けて、状態を上げていくだけ」と選手の奮起に期待した。【山口昌久】

○…この日午前、球場近くの清水庵原小学校に選手が訪れ、地域との交流を図った。現在、初登板に向けて調整中の池谷蒼大(24=静岡高出)、東海林碧波(22)、大生虎史(18)ら3投手が参加。約360人の児童に対し「生きざま」や「大切な考え方」を伝えた。身長196センチ左腕・東海林が「意志あるところに道は開ける」と話せば、高卒ルーキー大生は「人に優しく、自分に厳しく」。その後、児童とキャッチボールなどで実技も披露。前DeNAの池谷は「12球団に戻るため、最速150キロを目指したい」と活躍を誓った。