阪神森下翔太外野手(23)がチーム離脱前ラストの試合をマルチ安打で締めくくった。3日の日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)に「1番右翼」で出場。6、7日に行われる侍ジャパン欧州代表戦のメンバーに選出されており、代表合流前では最後の実戦。この試合前までオープン戦は13打数1安打。結果から遠ざかっていたが、3打数2安打と快音を響かせた。

「(安打が)出ないよりは出た方がいいと思う。監督へも含めて、アピールになった。離脱する分、チャンスは他の選手に生まれてくる。いいアピールができたと思います」

野口や井上ら、外野のライバルは多い。危機感を持ちつつも、定位置を譲る気はさらさらない。

まずは4回の2打席目だった。マーフィーの139キロ変化球に逆らわず対応し、二塁手の頭を越える右前打。2月25日中日戦以来、9打席ぶりの安打だ。5回にはザバラの157キロ直球を初球から中前打。いずれも「こん棒型」の新バットではなく、昨季まで使用した旧型のバットで決めた。「試行錯誤している中で、いい方向に打球が出ている」。より良い形を模索する中、好感触をつかんだ。

5日の日本代表全体練習に備え、4日から本隊に合流予定。その関係で5回の打席を終えると、同じく侍メンバーの中野とともに一足早く球場を後にした。岡田監督は「変な格好で行かされへんから、日の丸つけるのに。でも、はよ回って来いって思ってたら3回まわってきたから。1番にして良かった」とニヤリ。1番だからこそ巡った3打席で、指揮官を安心させた。

森下は代表の試合もオープン戦同様、開幕に向けた1試合として位置づける。「選ばれたからには強化試合であろうが、自分の100%をしっかり出せるように」と気合は十分。開幕前のガチンコ勝負を最大限に生かし、虎に帰ってくる。【波部俊之介】