巨人高橋礼投手(28)が開幕ローテーション入りを“当確”させた。

昨季日本一の阪神に、4回2安打無失点。唯一得点圏だった4回2死三塁、ノイジーを115キロスライダーで見逃し三振に打ち取った。4万1129人に埋め尽くされた甲子園で、虎党の大歓声をため息に変え「今日できることはすべてやった」。阿部監督がローテ入りを「入るかもしれないですね」と示唆する好投だった。

凝視する虎打線に、慎重さよりも大胆さで攻めた。2回までは打者8人中7人に初球ボールも、3回以降は7人全員にストライク先行。「初球のスイングをかけてこないのは肌で感じた。当ててくるのがうまいので、早いカウントからでも勝負できるようなボールを投げられれば」と立ち会った感覚を大事にした上で作戦を変更。経験値と技術の高さを物語る65球だった。

昨季負け続けた甲子園で新戦力のサブマリンが波に乗ったことは、チームにとって大きな収穫だった。昨季チーム防御率4・96と打ち込まれ3勝10敗と大きく負け越した甲子園。1軍ではプロ入り初の甲子園で完全アウェーを味わっても「意識はいかなかった」と意に介さず切って落とした。

2回完全投球だった2月27日の日本ハム戦に続くアピールに、杉内投手チーフコーチからも「5、6回とイニング数が増えても今日のような投球ができれば」と試合ごとに信頼は右肩上がり。次回は2軍戦で先発予定で「ひたすらその作業を10月まで続けることが大事なので、一喜一憂しないようにやっていきたい」と開幕ローテよりも、その先を見据えた。【上田悠太】

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