オイシックスは、0-5で楽天に敗れ、ホーム初勝利は持ち越しとなった。この日「6番左翼」でスタメン出場した小池智也外野手(24)が4打数2安打でチーム唯一のマルチ安打を記録。熾烈(しれつ)を極める外野手の定位置争いの中、昨季までチームの4番を張った男が、先発起用に結果で応えた。

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小池の打撃センスが光った。2回裏2死で迎えた第1打席。楽天のドラフト1位ルーキー・古謝の144キロの真っすぐを少し詰まりながらも、右前にうまく打ち、チーム初安打を記録した。「球が速いピッチャーっていうのは分かってたんで、なるべく振り負けないようにと思って打席に立った。若干詰まったんですけど、いいところに落ちてくれた」と状態の良さをアピール。7回の3打席目にはスライダーを左前に運び、チームでただ1人、複数安打を決めた。

調子は良かった。前日23日の楽天戦は9回裏1死一塁から代打で登場。楽天弓削から痛烈な中前打を放ち、2点差を追い付く同点劇を演出した。「昨日(23日)のヒットから感じは良かった。久々のホームで個人的にもすごくやりやすい球場なので、それまでは結果は出ていなかったですけど、そこは開き直って、思い切って行こうと思ってた」。好調を維持したまま、アピールにつなげた。

つかんだチャンスは逃さない。橋上秀樹監督(58)が、26日のDeNA戦から調整中だった陽岱鋼外野手(37)の起用を示唆。外野手争いがまた激化するが、「試合に出るには結果を出したもん勝ちだと思っている。陽さんとかよりインパクトのある結果を残さなくてはいけない。思い切ってやるだけ」。やることは単純で明確。試合に出続けるためにも、がむしゃらに結果を残し続ける。【大島享也】

○…地元出身の歌手、小林幸子がちょっとしたパフォーマンスでスタンドを沸かせた。始球式に登場し、1度マウンドでセットポジション。ところが、セットポジションを解いて2、3歩前に歩き、人工芝のところから再び投球動作に入った。投げたボールは、捕手の構えるミットにノーバウンドで収まらなかったが、観客の喝采を浴びた。「練習したんですけどね。届かなかった」。笑顔で話して、故郷の始球式を楽しんだ。この日の観客は2597人。「どんどん満杯になっていって欲しい。選手たちも若くてかわいい。大きくなってもらいたい」と故郷の球団と選手にエールを送っていた。