ヤクルト村上宗隆内野手(24)が、忘れられない日に今季1号を放った。0-0の1回1死走者なし。カウント3-1からの5球目だった。DeNA先発大貫の外角143キロ直球を完璧に捉えると、打球は横浜の澄み渡る青空へ大きな放物線を描き、バックスクリーン左端に直撃した。

今から8年前。16年4月14日に、故郷・熊本で大規模な地震が発生した。観測史上最大の震度7の激震に2度襲われ、関連死を含めて熊本、大分両県で276人が犠牲になった。あの悲劇と同じ日に、主砲が1発をマークした。「だいぶ前の話ですけど、今日で熊本地震から月日がたってるので、野球ができる喜びとファンの皆さんへの感謝の気持ちを持ちながらと思っていました」とかみしめた。

野球が出来る喜び、本塁打を打てる幸せ、あらゆる感情を胸に、ダイヤモンドを一周した。「なかなか野球ができない期間もありましたし、それを思うと、こうやって元気に野球ができているのはすごく感謝しなといけない。それを改めて感じながらできているのかなと思います」と言った。

開幕からしばらくノーアーチが続いていたが、54打席目、13試合目での1発。くしくも、熊本地震と同じ日に「常に打ちたいと思っていますけど、今日という日は今日しかない。熊本地震だけじゃなく、いろんなところで地震もありましたし、被災された方にスポーツの力を届けられたらなと思います」と使命感を漂わせた。

◆村上の四球 今季ここまで13試合の出場で15四球。1試合1個以上のペースで選べており、セ・リーグでは唯一の10個以上と断トツだ。打率2割8分6厘は1位岡本和(巨人=3割8分9厘)と1割以上の差で10位ながら、出塁率4割8分3厘は岡本和(4割6分8厘)を上回って12球団トップ。

【動画】お目覚め!ヤクルト村上宗隆1号 54打席目でついに出た バックスクリーン直撃弾

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