ウソやろ…。阪神が交流戦前最後の「伝統の一戦」初戦で、巨人先発戸郷翔征投手(24)にノーヒットノーランを許した。出塁できたのは敵失2つと四球1つの3度だけ。巨人戦では1リーグ時代の1937年5月1日(州崎)で沢村栄治に許して以来87年ぶり、甲子園のG戦では36年9月25日でこちらも沢村栄治に喫して以来88年ぶりの屈辱となった。首位での交流戦突入確定もお預け。岡田彰布監督(66)は「明日バッターがどんだけ奮起するかやろうな」と言葉に力を込めた。
◇ ◇ ◇
阪神にとって「伝統の一戦」では87年ぶり、甲子園の巨人戦では88年ぶりのノーヒットノーラン献上。岡田監督は結末を潔く受け止めていた。
「そらな、ええピッチングされたら、こんなもんやろうな。今のバッティングの調子やったらな。結局な。低めのボール、フォーク振ってな」
1万試合目を3時間39分の熱戦で制してから一夜明け。1万1試合目はまさかの完敗だ。本調子と言えない虎打線が、快投の戸郷に封じ込められた。
初回、先頭の近本が初球を打ち上げると中野、森下と3人連続で中飛。ここからライバル右腕の独壇場となった。5回までの出塁は敵失による2度だけ。普段との違いを問われた近本は「なんとも言えないです」と言葉少なだった。中野も「今日は特に言うことありません」と話すのみ。4番大山は、問いかけに無言のまま帰路に就いた。偉業を許した悔しさが、虎戦士の表情からにじみ出た。
最後まで勝ちにこだわる姿勢は見せた。最終回に先頭の木浪が初めて四球で出塁すると、指揮官は代打小幡に犠打を命じた。
「全然、攻めようがない。最後ぐらいやんなあ、ノーアウトで」
この日唯一と言って良かった好機。目の前の「ノーノー阻止」ではなく、ペナントレースにつながる1勝を追い求めた。
岡田監督にとっては06年に中日山本昌に許して以来2度目の屈辱。「06年やった? 昌? 2回目やなあと思っとったけど」。当時は翌日の試合を2-0で制してから破竹の9連勝で、2ケタ安打も6度と打線が奮起した。
「明日野手がどんなバッティングするかよ、もう終わったことやしの。また初戦負けたいうことやろ」
4カード連続で3連戦初戦に敗れた。また残り2戦を奪いにかかるだけだ。
「明日バッターがどんだけ奮起するかやろうな」
野手陣の背中を押すように、静かにそう繰り返した。【磯綾乃】



