昨年準優勝のJR東日本東北(仙台市)が劇的な逆転勝利で5年連続となる2回戦進出を決めた。昨年の日本選手権王者、トヨタ自動車(豊田市)に3点のリードを許すも、8回に4安打3得点の猛攻で追いつくと、延長タイブレークの10回表、金沢龍介外野手(26=専大)が2点適時打を放ち勝ち越した。その裏を、3番手武田龍成投手(27=きらやか銀行)が0点でしのぎ、5-3で逃げ切った。TDK(にかほ市)は鷺宮製作所(東京都)に5-4で敗れた。
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切り込み隊長が勝負を決めた。延長タイブレークで迎えた10回無死一、二塁、先頭の小鷹が得意ではない犠打をなんとか決めた。「つないでくれたので、自分が決めてやろう」と打席に入った3球目。トヨタ自動車3番手、好投手・嘉陽のフォークを捉えた。「見ていて真っすぐはチャンスボールではないと思った。フォークの方が可能性はあるかな」と狙い球を絞り、見事に右前に運んだ。
7回までは無得点。トヨタ自動車先発増居の前にわずか3安打と苦しい展開が続いた。その劣勢を覆したのも金沢のバットからだった。8回1死一塁から右翼線への二塁打を放ちチャンスを広げた。この一打が上位打線に火を付けると2死二、三塁から3番浦林、4番丸山の連続適時二塁打が飛び出した。試合を振り出しに戻し、球場の空気をがらりと変えた。
組み合わせが決まった際は「正直、終わったと思った。でも逆に割り切れた」と王者トヨタ自動車に胸を借りるつもりで臨んだ。2点リードで迎えた10回の守備でも「最後の最後までヒヤヒヤした」と張り詰めた緊張感のなか、激闘を制し「自分たちの野球ができた。去年、決勝進出を決めた時くらいうれしかった」と胸を張った。
西村亮監督(51)は「(金沢は)切り込み隊長としていい仕事をしてくれた」とたたえた。「(東京)ドームの1勝は本当に大きい。(選手たちは)よくやってると思う。どこが来ても自分たちの持ち味をしっかり出すような野球をしたい」。悲願の初優勝に向け、最高のスタートを切った。【北村健龍】
▽JR東日本東北・浦林(8回に中越え2点適時二塁打)「(打ったのは)真っすぐ。やっといいところで打てた。チームが勢いづいてつながって良かった。勝つとあれだけ盛り上がる。そういうところでいいプレーができて良かった」



