ミスターの一周忌を劇的すぎる逆転勝利で飾った。巨人長嶋茂雄終身名誉監督が昨年、89歳で亡くなってから一周忌となったこの日の一戦は「FOR3VER 6・3 ~長嶋茂雄~」として開催された。
試合はいきなりアクシデントが発生した。2回先頭の初球、先発・戸郷翔征投手(26)の抜けたフォークが紅林弘太郎内野手(24)の頭部に激突。審判団が協議の末、頭部死球で危険球退場が宣告された。白井球審から「ただいまの投球を危険投球とし、戸郷投手を退場といたします」とアナウンスされた。戸郷自身の危険球退場はプロ148試合目で初で、チームでは昨年6月10日の井上以来だった。
緊急登板の森田駿哉投手(29)は5回まで無安打投球と奮闘するも、6回に捕まった。先頭のオリックス宗にこの日チーム初安打を許すと、西川、中川の3連打で先制された。さらに続く紅林も中前打で4連打。1死満塁から山中を右邪犠飛で2点目を失ったところで高梨雄平投手(33)と代わって降板となった。
打線は7回1死、ボビー・ダルベック内野手(30)が右翼ポール際へ18試合ぶりとなる9号ソロで一矢報いると、3点を追う8回、1死から3連打を浴びせて満塁のチャンス。丸佳浩外野手(37)が代打で登場すると、オリックス椋木から逆転満塁ホームランを放った。長嶋茂雄氏のユニホームが飾られている右中間席におつりなしの逆転グランドスラム。バットを放り投げる確信アーチでベンチを指さした。
生前には不調で苦しむ丸のもとを訪れ、ミスターから直々の打撃指導をされたこともあった。広島時代の18年、残留か移籍かの決断に揺れた中で1通の手紙が届いた。「一緒に野球ができたらうれしい」。地元千葉の大先輩・長嶋茂雄氏からのシンプルでも熱いメッセージに心を震わせた。「感激しましたし、うれしかったです」と今でも大事に自宅に保管し、言葉はしっかりと胸に刻んだ関係性もあった。
「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」と銘打たれた昨年8月16日阪神戦では敗戦を喫していたが、ベテランの劇的な一振りで一周忌に白星を届けた。



