<セCS第1ステージ:中日3-2ヤクルト>◇第2戦◇18日◇ナゴヤドーム

 ヤクルト館山からの今季初安打は、これ以上ない場面で出た。2-2の7回2死三塁。「何も考えずにいった」という中日の荒木雅博内野手(32)が、貴重な勝ち越し適時打で天敵に借りを返した。

 連勝で第2ステージ進出を決めたいヤクルトと、後がない中日。セ・リーグの最多勝を分け合った館山、吉見の両右腕の投げ合いで、試合は息詰まる展開となった。互いに何度も好機をつかみながらあと1本が出ない。その中で迎えた勝負どころの7回だった。

 中日は今季のレギュラーシーズンで館山に3勝を献上しており、特に荒木は19打数無安打と大の苦手だった。好調の藤井のバットを借りて臨んだ打席で、1ボールから「頭にあった」という外角球に反応、芯でとらえた打球は中前へ抜けた。

 前夜はチェンの好投に応えられなかった打線が、終盤にようやく意地を見せた。荒木は「これだけお客さんに入ってもらって、変な試合はできないと思っていた。(第3戦は)きょう以上に集中して試合に臨みたい」と必勝を誓った。

 [2009年10月18日22時19分]ソーシャルブックマーク