横浜からフリーエージェント(FA)宣言していた三浦大輔投手(34)が、横浜に残留することを決意したことが29日、分かった。30日午後、横浜市内の球団事務所で会見を開き、表明する。

 一時は阪神移籍へ気持ちが動いた時期もあったが、悩んだ中で、最後は横浜残留を決心した。

 三浦は今月17日、「年齢的にも他球団の話を聞けるチャンスは最後」として、移籍も視野にFA宣言した。20日に他球団との交渉が解禁されると、阪神の猛アタックを受けた。即日に行われた1回目の交渉では、3年総額12億円という好条件を提示された。さらに中1日を挟み、22日にも大阪で2回目の交渉。高校まで関西で過ごした三浦にとって、甲子園はあこがれの地。移籍に気持ちが傾いた。

 しかし、23日に横浜スタジアムで行われたファン感謝デーなどを経る中で熟考を重ね、最終的には、17年間在籍した横浜への愛着が勝ったとみられる。ファン感謝デーでは、来季の新ユニホームに身を包んだ。2万2000人のファンと触れ合う中で「阪神に行かないでくれ!」「三浦さんにはブルーのユニホームが似合う!」という声も飛んだ。26日からは、2泊3日の選手会行事に参加した。FAに関する話題はほとんど出なかったが、チームメートの思いは痛いほど感じた。

 球団幹部も喜びを隠せなかった。村上チーム運営部門統括は「(残留を)本人の口から聞いた上でコメントしたい」と前置きしたが、「ありがたいね」と笑顔だった。三浦は「(30日は)今まで考えてきたことを、しっかり決めて伝える日だと思う」と話しており、30日、自らの口でその思いを話す。