決意のミット&大の字だ!

 阪神今岡誠内野手(34)が2日、プロ入り後初めて本格的に一塁の練習を開始した。本来の三塁ではなく、新調したファーストミットをはめて守備練習に参加。アメリカンノックでは若手選手にまじり、外野のポール間を走った。足を絡ませ、倒れ込む姿に、今年にかける思いをにじませた。3日には一塁でシートノックに入る。「結果がすべてだから」。プライドを捨てた34歳が本命新井にあえて挑戦し、汗と涙で完全復活を目指す。

 もんどり打って、倒れ込んだ。緑の芝の上で、今年35歳を迎える男が大の字になった。宜野座の強い日差しに、汗が光った。過去の栄光と決別。今岡がプライドを捨てた瞬間だった。

 「ホンマはやりたくない。(サブグラウンドで)マイペースでやりたいよね。でもそういう立場だから、頑張らないといけない」。この日、メニューに組み込まれたアメリカンノック。平野やバルディリスら年下の選手にまじり、右に左にボールを追って、ポール間を3往復。スロー調整が許される年齢だが、足を絡ませながら走った。

 正念場と位置づけた09年。復活を期すために、何をすべきか。今岡は決意を固めた。何でもやる!

 その誓いがあった。持参したファーストミット。キャッチボールから、全体の守備練習、そしてアメリカンノック。常に左手にはめていた。本格的に一塁を練習するのはプロ入り初だった。

 「1年目に1試合だけ出たけど、あれは急に言われたから。今回は自分で(ミットを)作った」。遊撃手として入団し、二塁、三塁と年を重ねるごとに守備位置を変えた。しかし、ここ数年の打撃不振で、ポジションを約束されない立場になった。三塁にはバルディリスと関本がいる。真弓監督は今オフに故障明けの新井のスペアとして、一塁転向を示唆していた。

 前日1日に真弓監督から声をかけられた。「サードと両方できるようにしておけ」。3日に予定されるシートノックで一塁に就くことが決定。「新聞で話は知っていたけど、自分の耳で聞いたんで」。この日、ミットを手にして感触を確かめた。厳しい現実だが、正面から受け止めた。

 吹っ切れたように動きまくる背番号7。指揮官にも気持ちは伝わった。「ミットを持っていたね。アメリカンノックにしても、まだ若いから。下半身が大事なのは、どの選手でも一緒。体のキレを作ることがシーズンで使えることになる」。打撃面では和田打撃コーチとオマリー駐米スカウトが付きっきりで指導。ガムシャラにやることで、復活の道が見えてくる。そうなれば、三塁でのレギュラー本格復帰にもつながってくる。今岡は静かに言った。「結果がすべてだから」。プロ13年目のゼロからのスタート。自分の力だけが、再び道を切り開くことを知っている。【田口真一郎】

 [2009年2月3日11時16分

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