日本ハムが3日、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補のダルビッシュ有投手(22)らへの安全対策へ乗り出した。選手は、キャンプ地の名護市営球場と隣接する宿舎へは徒歩で往復。これまでは見学者が体などに接触できたが、不測のアクシデントを未然に防ぐためにバリケードを設置した。稲葉を含め候補を2人抱えているだけに、常駐警備員にも強化を促して護衛徹底を指示。万全の状態でサムライジャパンへ送り出す態勢を、グラウンド外でも整備した。

 まるで花道状態の人垣を、悠然と歩いていた。ダルビッシュが、今キャンプで初めて練習後の緊迫感を解放した。この日午後、球場の外周の右翼側から宿舎へとつながる通路に青色のバリケードが置かれた。見学者が手を伸ばしても届かない、幅が約1メートルの選手ら関係者専用の通路を確保。プレー、練習以外でのトラブルを防ぐ、完ぺきなディフェンス策がスタートした。

 15日が集合日の日本代表候補合宿(宮崎)まで、この日で残すところ12日。キャンプ初日からサイン、写真撮影などを希望するファンが殺到、この唯一の通路を埋め尽くしていた。徒歩で宿舎と球場を移動するのが通例。良心的なファンが多く、大きなトラブルはこれまでなかったが、球団はダルビッシュらの万が一の事態を想定。念には念を入れ、前日まで同個所に1人だった警備員も、移動時に3人へ増員されていた。

 過去に身の危険を感じた新庄剛志氏が車を使用して別ルートで移動したほど、間違えば「人身事故」が起こる可能性があった。特にダルビッシュ、稲葉の日本代表候補に配慮。球団関係者は「(柵越しに)ファンサービスはスムーズにできるし、問題が起きてからでは遅いので」と話した。キャンプで契約している警備会社へもこの日、態勢強化を指示した。

 順調に調整を続けているからこそ、必要な環境整備。ダルビッシュはこの日も2日連続でブルペン入りせず、体力強化メニューを消化した。初の実戦形式になる8日のシート打撃では、WBC使用球で登板予定。40球前後をメドに、2イニング相当の球数の予行演習を行う見込みだ。代表選手には各1ダースずつ使用球が配布されており、ファウルなどによるボールの紛失の可能性もあるが一蹴。ジョーク交じりで「打たせなければいい。でもこれが新聞に載ったら、みんな当てにくる」と豪語するほど快調にキャンプを過ごしている。

 WBC連覇を目指すキーマンの1人のストレス軽減に効果抜群な、さながら“Vロード”のような選手専用通路が完成した。南国・名護を経由して宮崎で力を蓄え、東京ドームでの第1ラウンド、決戦の地の米国へ-。ダルビッシュが世界一を決めるステージまで、闊歩(かっぽ)していく。【高山通史】

 [2009年2月4日9時37分

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