<オープン戦:中日3-4日本ハム>◇7日◇ナゴヤドーム

 開幕OK!

 左肩痛で出遅れていた中日荒木雅博内野手(31)が、日本ハム戦でオープン戦に初出場した。04年以来、5年ぶりに遊撃スタメンの切り込み隊長はいきなり2安打を放ち、盗塁も決めるなど全開モード。今季からコンバートされた遊撃手としても5度の守備機会を軽快にこなした。開幕へ向けて、オレ竜の不安要素が1つ消えた。

 「1番、ショート、荒木!」。試合前、場内アナウンスが流れるとスタンドから歓声がわき起こった。左肩痛で出遅れていた荒木がついに試合出場までこぎつけた。また今季からコンバートされた遊撃手として“お披露目”でもあった。

 初回の守り。2番田中の打球を捕球すると一塁へ。最初のゴロを無難にさばいた。その裏の攻撃では日本ハム先発武田勝の初球をたたいて中前打。続く藤井の2球目に二盗を決めると、敵失を誘って三塁を陥れた。藤井のタイムリーで先制のホームを踏んで切り込み隊長としての役割を果たした。3回にも初球を打って中前打。いきなり2安打1盗塁の活躍だ。

 「初球から打つというのは今年のテーマですが、打撃はあまり考えていない。やはり守り。いつもと風景が違うところで守ったのですごい緊張感でした」。

 試合後の荒木は打撃より遊撃を守った意義を強調した。キャンプでは1人だけ落合監督のオレ流ノックを“皆勤”したが、遊撃スタメンは04年3月以来、実に5年ぶり。実戦感覚に不安があった。「二塁よりもランナーが速く見える。かといって焦ってはだめだから難しい」。遊撃と一塁との距離は、二塁より15メートルは長い。視野に入る走者のスピード感も増す。この違和感と戦いながらの5イニング。4つのゴロと1つのライナーをさばいた。

 「肩の痛みもない。1試合出てボールをさばけたのでほっとしている部分はある。守りの感覚を養う意味でも開幕までなるべく多く出たい」。昨季終了後、慢性的な左肩痛克服のため手術を検討したが、結局回避した。そこから慎重に復帰への階段を上って、ここまできた。開幕まで26日。あとは実戦感覚を研ぎ澄ませていく。【鈴木忠平】

 [2009年3月8日10時50分

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