<オープン戦:ロッテ1-4中日>◇26日◇千葉マリン

 中日の新外国人トニ・ブランコ内野手(28=ロッキーズ2A)がまた打った。26日、ロッテとのオープン戦(千葉マリン)1回に清水直から左越えの6号2ラン。前日25日の巨人戦(東京ドーム)から敬遠の四球をはさみ“3打数連続”本塁打となった。昨年までの主砲ウッズに代わる大砲として期待される助っ人がスランプを抜け、4・3開幕へ視界が開けてきた。

 中堅からホーム方向に吹きつける風速7メートルの逆風をものともしない。ブランコのケタ外れのスイングから飛び出した打球は、放物線を描いて千葉マリンの左翼スタンドにつき刺さった。1回。エース清水直から6号2ラン。「タイミングの取り方と球種の見極めに気をつけた。今はボールが見えているよ」と満足そうに振り返った。

 「3打数連続」の本塁打だった。前日25日の巨人戦(東京ドーム)で看板直撃の155メートル弾を含む2打席連続アーチを放ち、最終打席で敬遠されてこの日を迎えた。変化球をファウルした後のカウント1-1からの3球目。スランプを抜けた男に139キロの甘い直球は餌食でしかない。打率が2割台前半まで下がったことがうそのように、的確にボールをとらえた。

 ひたむきな向上心がスランプ脱出の源だ。試合前の打撃練習後、ティー打撃を「おかわり」した。前日25日まで2日連続で落合監督に指導されたポイントを思い出しながら、繰り返しボールをたたいた。疲労がたまっていても休養より練習を優先。「いい感じなので感覚を忘れたくなかった。体に染みつけたかった」と説明した。

 強烈な余韻を残したまま、1打席で退いた。条件が変わりやすい屋外でのプレーを切り上げ、27日から本拠地ナゴヤドームで行われる開幕直前の3連戦に備えたもよう。ドミニカ共和国に残してきた家族も来月来日する。上昇気流に乗ったブランコが、V奪回を目指すチームのキーマンになる。【村野

 森】

 [2009年3月27日12時24分

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