<阪神14-2広島>◇20日◇甲子園

 阪神のルイス攻略の合言葉は「マテ・マテ・ネバレ」だった。来日した昨年から7戦で4勝を献上している天敵右腕に対し、指揮官がひそかに策を練っていた。2回まで打者6人が完ぺきに抑えられたのだが、これは思惑通り。1番浅井をはじめ、2ストライクに追い込まれるまで、バットを振らなかった。その後は徹底的にファウルで粘る。真弓明信監督(56)は「球数を意識した攻撃をしたことが、功を奏した」と振り返った。ルイスの球数は2イニングで43球。待球作戦が、3回の猛攻を生んだ。

 苦い過去を無駄にはしなかった。7月8日新潟での対戦では、早いカウントからの積極的な打撃が裏目となり、3安打1得点で完投を許した。その一方で前回対決の4日は初回に35球を投げさせ、2点を奪って、土をつけた。「偶然、球数を投げさせて、これは次も行けると思った。積極的に行くのも手だが、押したり、引いたりして、こういう結果になった」と真弓監督は言う。

 ナインもベンチの作戦に応えた。3回に口火を切った狩野は、2ストライクからファウルで6球粘って、12球目を中前にはじき返した。チームが打倒ルイスで一丸となった。「9連戦最後のカードになるが、あと3つ、全力でひとつずつ取っていきたい」。指揮官のさえた手腕で、3位を死守した。

 [2009年9月21日11時4分

 紙面から]ソーシャルブックマーク