広島の新外国人ジェフ・フィオレンティーノ外野手(26=オリオールズ)が、3打点デビューだ。11日の紅白戦で先発出場。3打席目に左翼越えの2点適時二塁打を放った。内野ゴロでの打点も加え、3打数1安打3打点。昨季3Aで3割を打った広角打者の本領をかいま見せた。一方、大砲候補のジャスティン・ヒューバー内野手(27=ツインズ3A)は2三振を含む3打数無安打、ジャンカルロ・アルバラード投手(ドジャース3A)は1回1失点だった。

 フィオレンティーノがその本領をじわじわと発揮し始めた。今キャンプ初の紅白戦は5番右翼で先発。5回1死一、二塁の第3打席で、右腕上野の外角へのツーシームを確実にとらえた。打球は強風にも乗って左翼手の頭上を越える2点タイムリー二塁打。“日本初安打”に「まだまだぎこちないね」と苦笑いだったが、アベレージ打者の片りんをのぞかせた。

 第1打席は二ゴロに倒れたが、4回1死三塁の好機でも、左腕相沢に追い込まれながらしぶとくボールに食らいつき、セカンドへの強い当たりで打点を稼ぎ、同時に二塁手の失策も呼び込んだ。日本での初実戦で、3打数1安打3打点。昨季、3Aで3割1分2厘の高打率を記録し、シーズン終盤に昇格したオリオールズでも2割8分1厘をマーク。広角打者の実力を少しずつだが示し始めている。内田打撃統括コーチも「彼は腕の使い方が柔らかい。その特長がうまく出ていた」と評価。凡打でも全力疾走する姿にも、自ら「僕はよく日本人選手に似ていると言われるんだ」と話す懸命さがある。

 体調面はまだ万全ではない。フィオは「今日も6イニングを戦っていっぱい、いっぱいだよ。もう少し体力的に上げていければね」と課題を挙げた。だが「日本や日本の野球について、まだまだ学ばなければいけないことはたくさんあるし、今までとは違った環境でやるので、開幕までまだ1カ月半あるのは僕にとってはラッキーなことだよ」と決してあわてていない。内田コーチも「やろうとする形は見えていたし、これから実戦を多くこなす中で感じたことを聞いてくれれば」と助っ人のペースに任せている。主砲栗原の前後を固めるクリーンアップ候補は、ゆっくり調子を上げていく。【高垣

 誠】

 [2010年2月12日10時44分

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