日本ハム中田翔内野手(20)が、初の開幕スタメンをゲットした。20日の開幕ソフトバンク戦(札幌ドーム)に「7番左翼」でスタメン出場することが18日、確実となった。梨田昌孝監督(56)が起用を示唆した。この日札幌ドームで行われた全体練習でも、指揮官は中田の打撃を入念にチェック。ダルビッシュ有投手(23)はブルペンで45球の投球練習を行い、2日後に備えた。

 努力と結果が、梨田監督を決断させた。開幕を2日後に控えた18日、梨田監督が中田の起用法について口を開いた。「(スタメンで)使うかもしれない。今日の打撃を見たら、もしかしたら打てるかも、という形になってきた。3、4日前より良かった。何らかの形で貢献してくれたら」と、明言こそ避けたが、スタメン抜てきを示唆した。実はこの日、梨田監督が札幌市内で開かれたスポンサー企業のセミナーにゲスト出演。その席上、「左翼手で使いたい」と20日の開幕戦で起用する意向を明かしていた。

 開幕前最後となる16日の中日とのオープン戦(鎌ケ谷)では2本塁打するなど、下降線だった状態が再び上がりかけてきた。オープン戦11試合で打率2割8分2厘、2本塁打。一時は左打者の村田が開幕左翼の定位置争いをリード。「村田でもいいかなと思ったけど、いいときと比べて調子が落ちている」(同監督)というのも理由の1つ。ソフトバンク先発は左腕の杉内となる見込みなだけに、右の中田を選ぶのが自然の流れだ。

 初の開幕舞台へ、中田の意欲も上がっている。この日は練習開始1時間前から早出特打を敢行。ティー打撃では、ワンバウンドした球を打つなどし、課題としている体重移動の際のタメをつくる練習に積極的に取り組んだ。「自分の今やるべきことは、フォームを固めていくことだけ」と、最善の結果を出すため、最終調整に心血を注いだ。

 初めて迎える開幕1軍。臨む心構えも、梨田監督から伝授された。「練習している部分がすべて結果には出ない。これからは自分なりにどう感じるか。自分のとらえ方で配球などを分析してインプットしていってほしい」。プロ3年目、周囲からの期待度に応えられるだけの成績を残してくれることを、梨田監督らも期待している。その足場とすべく、スタメンという最上の場を用意し、グラウンドへ送り込む。

 初の開幕1軍どころか、開幕スタメン。中田は「1軍の雰囲気も含めていい経験になる」と、気持ちを高ぶらせた。名前先行から脱却するため、明日をその幕開けとする。【石井克】

 [2010年3月19日8時38分

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