<ロッテ9-0オリックス>◇17日◇千葉マリン

 風を感じ、ロッテ成瀬善久投手(24)が快投した。オリックス打線を6安打完封し4勝目。千葉マリンでは09年5月30日(ヤクルト戦)以来10連勝と、強さを見せつけた。

 瞬時に判断した。風速は3~4メートルと、この球場にしては強くはなかった。1回、先頭坂口に投じた4球目。低めの直球が中堅へはじき返された。「センターフライかと思った」という捕手の的場の計算は外れ、フェンス直撃の二塁打となった。いつもならセンターからホーム方向へ吹き、飛球は伸びない。この日は逆だった。成瀬は「思ったより伸びた。下手に高めにいくと持っていかれる」と、攻め方を変えた。

 直球よりも変化球中心の組み立てにした。「今日はスライダーがよく曲がっていたし、相手打者も振ってくれた」と、前回登板で完投目前に本塁打を浴びた、T-岡田にはスライダーを徹底した。4打席対戦し、14球を投げ変化球は10球。そのうちスライダーは9球で、2度の三振を奪った。9回はあっさりと3球三振。4試合登板で毎試合となるリーグワーストの6本塁打を浴びていた。その反省を生かして相手、風への感性を研ぎ澄ました。

 投打がかみあいチームは今季2度目の5連勝。西村監督には「完ぺきでしょ。前回の反省を生かしていた。108球の完封は理想的ですね」と絶賛された。左腕エースには地の利を生かせる読みと強さがある。【斎藤庸裕】

 [2010年4月18日9時37分

 紙面から]ソーシャルブックマーク