<巨人2-8広島>◇7日◇ひたちなか

 広島打線が大爆発だ。6番一塁で先発したジャスティン・ヒューバー内野手(28)が、来日初の4安打と本領を発揮。また小窪哲也内野手(25)はプロ初の4安打など、首位巨人を相手に17安打を集中して先発前田健を援護し、8-2で胸のすく快勝劇。この日負ければ消えていた自力優勝の可能性も残した。

 助っ人のバットが止まらない。これまで苦しんでいたのがウソのように、ヒューバーのバットから快音が響いた。2回、先頭打者で左前安打したのを手始めに、3回1死一、二塁のチャンスでは投手内海を強襲する内野安打で、この回5得点の猛攻に貢献。4回にはまたも左前へ運び、6回には詰まった当たりが一塁後方へポトリと落ちるタイムリーヒット。ラッキーなヒットで勝利を決定づける8点目をたたき出した。来日初の4安打の猛打。これこそ、首脳陣の期待していた主砲の働きだ。

 ヒューバーは4安打の大暴れにも「まあ、ノーヒットよりはいいね」とちょっぴりシニカルなコメント。苦悩したぶん、手放しで喜んではいられないのだ。

 大砲候補として期待されながら、開幕直後から打率は1割台に沈み、結果が出なかった。4月末に2軍落ちした。戻ってきたのは、4番栗原が故障した6月初旬だった。

 外角への逃げる球の対処に苦しんでいた。最近はスライダーなどの球が入ってくる左投手のときにスタメン起用されることが増えた。この日は左投手だけでなく、右腕小林らからもヒットを重ねた。「右投手は(出身の)オーストラリアにもたくさんいるよ。66%くらいは右投手さ」と、相手投手によらないというプライドをにじませた。アメリカ時代にはこの日対戦した小林からも「ヒットを打ってるよ」とも話した。

 助っ人の猛打爆発で、小窪もプロ初の4安打をマークするなど、巨人投手陣に17安打を浴びせて完全KO。エース前田健を強力に援護して、この日負ければ消えていた自力優勝の可能性を残した。野村監督も「打線はうまく機能している。あと1本出れば、という場面でヒットが出るようになってきた」と目を細める。その中心で助っ人ヒューバーが働くようになれば、本物だ。【高垣誠】

 [2010年7月8日11時6分

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