<ソフトバンク2-0西武>◇20日◇福岡ヤフードーム

 敵地のファンも歓声で迎えた。西武工藤公康投手(47)がソフトバンク戦で今季初登板し、自らの持つ実働年数のプロ野球記録を29年に更新した。2点ビハインドの7回1死一塁。汗だくの顔が、準備万端の証しだった。川崎には四球も、本多を左飛、代打ペタジーニは遊ゴロ。最速138キロを計測するなど2/3イニングを11球、注文通りに左打者を封じた。「抑えられて良かった。シーズン初登板だよ。緊張するでしょ」と息をついた。

 今季はケガとの戦いだった。左ひじ、左足首、腰。これまでで最も遅かったシーズン初登板は84年の5月1日。7月に“開幕”を迎えたのは初めてだ。2軍では慎重に調整を進めた。ブルペン入りを決めるときも、体調だけでなく天候とも相談。キャッチボールで状態をギリギリまで見極め、万全を期した。

 渡辺監督の表情も緩む。「変化球もキレて、真っすぐも力があった。これからに期待できる」。それを伝え聞いた工藤は「ありがたい。でも選手はそれに甘えてはダメ。より高いところを目指していかないと」と逆に表情を引き締めた。目標は1軍で投げることではなく、優勝に貢献すること。遅ればせながら、西武のブルペンに頼もしい1ピースが加わった。【亀山泰宏】

 [2010年7月21日7時44分

 紙面から]ソーシャルブックマーク