黒の安打製造器が発進-。阪神マット・マートン外野手(28)が記念の安打をチームの起爆剤にする。17日横浜戦に備え長野に移動。今カードは48、49年の大阪タイガース時代の復刻ユニホームを着用する。まじめ助っ人は「光栄なこと。黒は好き」とブラック・マートンへの変身に意欲。来日1年目の助っ人としてトーマス・オマリー氏の146安打に並んだ男が、メモリアル安打で首位固めの勢いをつける。

 ブラック・タイガー軍団の切り込み隊長になる。マートンが「黒の安打製造器」として降臨する。ダイナマイト打線の異名をとった「大阪タイガース」の復刻ユニホームを着用する3連戦。赤毛のまじめ助っ人と“黒いユニホーム”(厳密には紺色)は刺激的な配色だが、「黒は好きだ。その当時の彼らがいたから、僕らがいる。球団の歴史をリスペクトしているし、常に昔の選手には感謝をしてやっていきたい」と伝統を感じて大乗り気だ。

 セ・リーグ6球団で行う「2010年オールド・ユニホーム・シリーズ」。阪神は、48~49年にビジターで使用したものをまとう。当時は4番藤村富美男を中心とした強力打線が看板だった。半世紀の時を越えて、同じく強力打線がウリの真弓阪神が袖を通す。

 新世代ダイナマイトの導火線は、マートンのメモリアル安打だ。現在、146安打をマーク。来日1年目の助っ人としてはオマリー氏の安打数に並んでいる。横浜3連戦で新記録樹立の期待が高く、球界記録(97年近鉄クラーク=174本)の更新も視野に入る。マートンは「ミスターオマリーは、僕と同じようにアメリカから来て、タイガースで活躍した。有名な選手の記録を超えられるのは本当に光栄と思う」と口にした。

 後半戦開始時は不調だったが、和田打撃コーチの打撃指導で再浮上。現在は5試合連続マルチ安打中と1番打者として勢いを取り戻した。黒のマートンが横浜に襲いかかりよみがえった黒虎打線の大爆発を呼ぶ。

 [2010年8月17日10時46分

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