<中日3-0阪神>◇21日◇ナゴヤドーム
中日が阪神との首位決戦初戦を3-0で制し、リーグ優勝へ大きく前進した。ナゴヤドーム10連勝で、4年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出も両リーグ一番乗りで決めた。先発チェン・ウェイン投手(25)は阪神打線を8回4安打無失点に抑え、今季13勝目。今季の阪神戦カード勝ち越しも決定。残り2戦も勝てば、23日に優勝マジック2か3が点灯する。
落合博満監督(56)の表情は、いつになく穏やかだった。「だってこういう試合にしかならないじゃない。1点取ったら1-0、2点取ったら2-1の試合をしないといけない」。天王山第1戦、持ち味を十分発揮した守り勝つ野球で奪ってみせた。
その象徴が、先発チェンだった。「今日は真っすぐがよかった。自分の力で抑えられてよかったです」。チーム打率が3割近い阪神打線を相手に、三塁さえ踏ませぬ投球。初回にいきなりマートンに直球を中越え二塁打にされたが「たまたまだと思って」割り切り、後続を力でねじ伏せた。
試合前、左ふくらはぎを痛め、欠場中の正捕手谷繁から熱いメッセージをもらった。「大事な試合だと思わずに、自分の球を信じて投げろ!
そうすれば絶対に打たれないから」。プレッシャーを感じていたチェンは「あれで楽になった」。試合に出られなくても貢献しようとするベテランに、全力を出し切って応えた。これで18イニング連続無失点。チームが阪神に今季1敗しかしていない相性抜群のナゴヤドームで、逆転Vに燃える猛虎打線を完ぺきにねじ伏せた。
打線は少ないチャンスをものにした。1-0とリードした6回2死二塁、野本が阪神先発スタンリッジの外角カーブをぎりぎりまで引きつけ、バットをたたきつけた。打球が鋭く遊撃の横を抜けると、一塁へ走りながら叫んだ。0-0の4回1死一、三塁では直球を中堅へ打ち返した。貴重な先制点をもたらす、犠飛を打ち上げた。
2年目の今季、この日まで2割1分6厘と苦しんだ。日々もがく中で身につけたのが自己犠牲の精神だった。「今までは引っ張ってばかりだったんですけど、チャンスの時こそ逆方向と思うようになった」。得意の引っ張りを封印し、2打点ともに中堅より左へ打ち返した。「ベンチであれ、スタメンであれ、チームが勝つためにやるだけです」。圧倒的な投手力だけではない。正念場で成長を示した野本の打撃も、落合竜の強さを象徴していた。
[2010年9月22日9時12分
紙面から]ソーシャルブックマーク



