真弓阪神に待望の新星が現れた。安芸の2次キャンプ初日の19日に、紅白戦を実施。紅組の7番三塁で先発した高浜卓也内野手(21)が小嶋ら1軍経験のある左腕3人を攻略し、3打数3安打で強烈なインパクトを与えた。20日は2番遊撃に抜てきされた。1軍帯同は決定的となり、26日オリックス戦(安芸)からのオープン戦出場も濃厚となった。

 独壇場だった。4年目の高浜がひときわ輝きを放った。2回2死二塁から小嶋のスライダーに崩されながらもしぶとく合わせて中前に運ぶ先制打。5回には藤原から中前打、さらに7回にも筒井から右中間を破る二塁打を放ち、3安打で猛烈アピールだ。

 高浜

 打てると思ってなかった。まっすぐはファウルで(粘って)変化球を打っていこうと思っていた。もともと左ピッチャーが嫌いというわけではないので。

 1軍経験のある左腕3人を攻略。3打席計19球、1度も空振りしなかった。和田打撃コーチが舌を巻く。

 「左ピッチャーの変化球をああいう風に打てるっていうのは非常にいいものを見せてもらった。見せる試合で結果を出した。もう少し見てみたい」

 16日の練習試合・西武2軍戦(春野)で4打数3安打。紅白戦スタメン出場を勝ち取ったが「びっくりした。キャンプでも打ってなかったので」と抜てきに驚きを隠せなかったが、チャンスはものにした。

 真弓監督も「影響というか刺激になるだろう。争ってもらわなアカンところだし」と新星に期待をかけた。だが、高浜は謙虚だ。

 高浜

 野球をやってる姿をしっかり見せるのが一番。そういう姿をしっかり見せないといけないんで。その中でアピールできれば。

 07年高校生ドラフト1巡目。同世代にはBIG3と称された中田翔(日本ハム)由規(ヤクルト)唐川(ロッテ)がいる。センスでは高浜も劣らないが、入団直後から膝に「爆弾」を抱え腰、首など度重なる故障に泣いた。膝の負担を減らすため、外野への転向を薦められたこともある。昨秋のキャンプから、ようやく復調。「痛みを抱えながらでもプレーできるようになってきました」。地道な体力強化と精神面の克服で“天敵”との付き合い方も覚えた。

 1軍クラスの試合に出たのはもちろん初めて。強烈なインパクトを植え付け、真弓監督も「このまま良ければ(1軍に)残る」と明言した。26日からのオープン戦出場も濃厚。日本ハム中田の外れ1位でタテジマに袖を通した男にも意地がある。苦闘の日々を送った高浜が、持てる才能をいよいよ開花させるときがきた。

 [2011年2月20日11時10分

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