阪神の2軍投手コーチにOBの湯舟敏郎氏(45=日刊スポーツ評論家)が就任することが30日、分かった。92年にノーヒットノーランを達成するなど、阪神の主戦投手として一時代を築いた。分析力にすぐれた理論派として定評があり、若手投手陣の育成が課題のチームに最適の人材だ。同日までに就任を要請され、受諾。02年以来のコーチ復帰が決定した。
阪神がかつてのノーヒッターに若虎育成を託す。OBで日刊スポーツ評論家の湯舟氏が2軍投手コーチとして、02年以来のコーチ復帰を果たすことが分かった。この日までに球団から就任を要請され、受諾した。近日中に正式発表される見通しだ。
若手投手陣の育成がここ数年の課題に挙がっている。昨年4勝を挙げた秋山は今季未勝利に終わり、白仁田、二神、蕭一傑らドラフト1位選手も1軍の戦力になっていない。先発ローテーションは固定されたメンバーで組まれ、若手の伸び悩みは深刻だ。守りの野球を理想に掲げる和田新監督にとっても、投手陣の底上げは必須事項と言える。問題解決に最適の人材としてリストアップされたのが、湯舟氏だ。
同氏は90年ドラフト1位で阪神に入団。プロ2年目の92年にノーヒットノーランを達成するなど11勝を挙げ、チームの2位躍進に大きく貢献した。左腕エースとして活躍し、近鉄に移籍した01年オフに現役を引退。プロ11年で通算60勝を記録した。02年の1年間、阪神の2軍投手コーチを務めた後は、野球評論家として、ネット裏から研さんを積んだ。
和田新監督の就任に伴い、阪神の指導者も40代を中心に若返りを図っている。湯舟氏も45歳でこれから指導者で脂が乗ってくる時期だ。分析力にすぐれた理論派として定評があり、人柄は実直で温厚。プロ野球現役選手が高校野球部員に対して行うシンポジウム「夢の向こうに」では、コーディネーターを務め、アマ球界にも広く知られている。さわやかなイメージは、和田新体制にピタリとはまる。
すでに有田修三氏(60=野球評論家)のヘッドコーチ就任が決定。湯舟氏の入閣も決まり、コーチ陣の編成も最終調整の段階に入った。急ピッチで人選を進めてきたことから、秋季キャンプでコーチ陣がそろわないという懸念は払拭(ふっしょく)される見込みだ。高知・安芸の秋季キャンプに入る2日までには、コーチスタッフの陣容が発表され、いよいよ和田阪神が船出のときを迎える。
◆湯舟敏郎(ゆふね・としろう)1966年(昭41)10月8日、大阪府貝塚市生まれ。興国-奈良産大。本田技研鈴鹿を経て、90年ドラフト1位で阪神入団。2年目の92年6月14日の広島14回戦(甲子園)で、阪神としては73年江夏以来、19年ぶりのノーヒットノーランを達成。正捕手だった木戸(前ヘッドコーチ)との名コンビで知られた。92(11勝)93年(12勝)に2年連続2桁勝利を記録するなど先発陣の柱で活躍。94年開幕投手。00年にトレードで近鉄移籍、そのオフ引退。02年の星野監督政権で阪神2軍投手コーチ。通算257試合登板、60勝79敗3セーブ。左投げ左打ち。



