球界野手最年長の中日山崎武司内野手(44)が今季限りで現役を引退することが27日、分かった。今季は39試合に出場して打率2割5分5厘、本塁打なしと本来の豪快なスイングは鳴りを潜めていた。この日、出場選手登録を抹消され、一線から身を引く決意を固めた。

 誰よりもファンから愛された男がユニホームを脱ぐ。この日、出場選手登録を抹消された山崎が今季限りでの現役引退を決めた。すでに関係者には報告を済ませており、今日28日にも自らの口で応援してくれたファンに向けてメッセージを送る。

 プロ27年目の今季は進退をかけて臨むシーズンであることを開幕前から明言していた。2月には「毎年1年1年が勝負だけど、特に今年はシロクロつける1年だと思ってやっている」と宣言。「球団には感謝しているし、今年ユニホームを着させてもらう時点で、その覚悟は決めている」とダメなら引退を覚悟していた。

 今季は開幕前から調子が上がらず、開幕連続スタメンも「18」でストップ。主に代打での起用が続いていた。だが、5月17日の楽天戦(ナゴヤドーム)では「イーグルスなんで燃えてました」と、最年長サヨナラ打を放つなど古巣相手に勝負強さを発揮していた。

 この日、山崎の引き際について問われた井手球団代表は「こっちがどうこう言うことは何もない。あれだけの選手だもん」と本人の意思を尊重することを強調していた。山崎は86年にドラフト2位で中日に入団し、オリックス、楽天を経て昨年10年ぶりに古巣に戻ってきた。現役最多となる歴代17位の通算403本塁打を放っている。

 ◆山崎武司(やまさき・たけし)1968年(昭43)11月7日、愛知県知多市生まれ。八幡中から愛工大名電を経て、86年ドラフト2位で中日入団。96年本塁打王。03年にオリックスに移籍、05年から楽天でプレーした。07年に本塁打、打点の2冠を獲得。一昨年オフ戦力外となり、昨季から中日に復帰していた。昨年は90試合に出場して打率2割9厘、1本塁打。今季は39試合出場にとどまっていた。通算1833安打、403本塁打。181センチ、105キロ。右投げ右打ち。