維新、阪神、リョウマ神!

 藤浪と同じ19歳右腕としてブレーク中の阪神の松田遼馬投手が“坂本龍馬”と共演する可能性が出てきた。現在9試合連続無失点と勝利の方程式の一角に成長。この活躍に注目する高知県観光コンベンション協会が、安芸の秋季キャンプ中に、坂本龍馬記念館の一日館長など「遼馬と龍馬のコラボ企画」を検討している。きょう6日からの広島戦(マツダスタジアム)でも頼むぜよ!

 おーいリョウマ。このフレーズが大好きな中西投手コーチもほくそ笑んでいるだろう。2年目松田が期待を上回る活躍で、ベテラン中心のリリーフ陣に刺激を与えている。そんな中、坂本龍馬で有名な高知県が虎の遼馬に熱視線を送っていることがわかった。

 同県の観光コンベンション協会スポーツ課長の坂本龍馬氏が明かす。「松田選手は若いですし、高知をアピールしてもらうにはいいですね」。松田の名前は漢字こそ違うが、高知が誇る偉人と同じリョウマ。坂本氏はさらに「松田選手に坂本龍馬のコスプレをしてもらって、坂本龍馬記念館の一日館長を務めてもらえたらいいですね」と、驚きのプランも繰り出した。記念館以外にも、龍馬郵便局など、龍馬の冠がつく施設でのアピールプランがあるという。

 阪神は例年秋季キャンプ、春季の2軍キャンプを高知県の安芸市で行っている。松田は順調にいけば、若手中心の今秋キャンプに参加する可能性は極めて高い。計画が進められれば、その際に実現する運びとなりそうだ。昨年まで君臨した守護神藤川(カブス)に憧れる松田は、将来のストッパー候補。高知は藤川の故郷でもあり、何かと縁がある地のようだ。

 松田は7月13日DeNA戦(甲子園)のデビュー以来、9試合、10イニング連続無失点と絶好調を維持している。140キロ後半の直球を軸にした、若さあふれる投球で今やその立ち位置を着実に確立している。前日4日の巨人戦では6点リードの場面でも登板。展開次第では1点リードの場合でも起用されていたといい、勝ちパターンに上りつめつつあるところだ。

 現在阪神は2位につけるが、首位巨人とは依然6・5ゲーム差。頼みのリリーフ陣もベテラン中心だったがゆえ、少し疲労が見えつつあるのも事実だ。きら星のごとく現れた19歳が、Gの独走に待ったをかける“改革”のため、身を粉にする覚悟だ。幕末の志士・坂本龍馬のように、大いなる野望を胸に抱き、遼馬が行く!【山本大地】

 ◆松田遼馬(まつだ・りょうま)1994年(平6)2月8日、長崎県生まれ。波佐見のエースとして3年センバツでは横浜と対戦し、1失点完投勝利。11年ドラフト5位で阪神入団。昨オフからリリーフに転向。今春キャンプはポスト球児と期待され、1軍に抜てきされた。184センチ、89キロ。右投げ右打ち。<阪神選手過去の主なキャンペーン参加>

 ◆一日税関長

 亀山努外野手は92年11月、神戸市中央区の神戸税関の税関記念式典に出席。ブルーの制服に身を包み、壇上で功労者表彰を行った。

 ◆一日通信指令室長

 新庄剛志外野手は94年1月、JR神戸駅構内で兵庫県警のキャンペーンに参加。約300人の観衆の前で白バイにまたがり「警察官になったみたい」とご機嫌だった。

 ◆一日消防署長

 井川慶投手03年11月、神戸市灘消防署へ。「ボクも試合で火をおこさないようにしたい。大炎上だけは避けないといけませんね」。

 ◆長崎県ブランド大使

 下柳剛投手が06年11月、同県の観光宣伝役を任された。生まれて初めて名刺を持ち「これは夜の飲み屋で配るの」とニヤリ。

 ◆箕面白球大使

 10年育成ドラフト3位で指名された穴田真規内野手が、地元の大阪・箕面市役所を訪問した際に就任。

 ◆倉敷児島ジーンズ大使

 葛城育郎外野手は09年12月、国産ジーンズ発祥地のアピール役を委嘱され「ファンにプレゼントしたい」と大張り切り。