日本ハムからドラフト2位指名を受けた帝京・松本剛内野手(18)が1日、東京都内の同校で大渕スカウトディレクター、今成担当スカウトの指名あいさつを受け「遊撃一本」で勝負する決意を明かした。同校OBでは森本(現横浜)、杉谷も同じ遊撃手として日本ハム入りしたが、遊撃レギュラーは獲得できていない。強打と俊足が魅力の大型内野手は、まずは先輩の忌まわしい?

 ジンクス打破を目指す。

 日本ハムの外れ1位候補にも浮上していた松本は、不退転の決意でプロの世界に飛び込む。「ショートにこだわりたい。足りない部分もあるけど、早く(先輩に)追いついて、追い越したい」と早期のレギュラー奪取を誓った。将来性がある待望の大型内野手。180センチ、80キロの恵まれた体から、高校通算33本塁打をマークした。今成スカウトが「走攻守すべてに高校生離れしている」と評価するように、潜在能力は高い。

 先輩たちの“ジンクス”をも覆す。帝京から日本ハムに入団した森本(現横浜)、杉谷も高校時代は松本と同じ遊撃手で主将だった。プロ入り後、森本は外野、杉谷も今は二塁や外野でプレー。本職でレギュラーを奪えていないが、同席した前田三夫監督(62)は2人と比べて「身体能力が高い。まだ伸びる。走れて打てるショートは今、あまりいない。そういう選手になれる」と太鼓判を押した。

 チームにとって、遊撃は世代交代が急務なポジション。長らく金子誠が務めてきたが、昨季痛めた右ふくらはぎなど体に不安を抱えている。今季は飯山や今浪に先発を譲るケースが増えた。しかし、レギュラー獲得までには至っておらず、松本に懸かる期待は大きい。「最終的には(金子誠を)追い抜きたい。とにかく早い段階で」と意欲的に話した。

 目標とする選手は、巨人坂本。9月には、間近でプレーを見る機会に恵まれた。「近所の方からチケットをいただいて、東京ドームのエキサイトシートから見ました」とグラウンドレベルから凝視し、安定感あるプレーに見とれた。「足を生かして、将来的には1番を打ちたい」。高卒2年目で開幕スタメンを勝ち取った坂本のように、チームを引っぱるリードオフマンが目標だ。【木下大輔】

 ◆松本剛(まつもと・ごう)1993年(平5)8月11日生まれ、埼玉・川口市出身。青木北小1年から青北サンクスで野球を始める。青木中時代は硬式の川口シニアでプレーしながら、中学の陸上部にも所属。帝京では1年春からベンチ入りし、正遊撃手として09年夏、10年春、11年夏と3度甲子園に出場した。家族は両親と姉。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。