侍ジャパン強化合宿第2クール初日となった21日、実戦形式の打撃練習(ライブBP)が初めて行われ、村上宗隆内野手(23)がダルビッシュ有投手(36)から本塁打を放った。
高めツーシームを捉え、バックスクリーンへ侍1号。再戦の要望にも応え、左前打で先輩をこてんぱんにした。“村神様”と“帰ってきたウルトラ腕”の夢対決が、宮崎のファンを熱狂させた。
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青空に白球が映えた。打った村上、打たれたダルビッシュ、1万8356人のファンが打球の行方を追う。快音から約6秒。高弾道の放物線がバックスリーンへ飛び込むと、どよめきと拍手がこだました。
村上にとって「テレビで見てた人」が投げ込んできた。ダルビッシュが胴上げ投手となり連覇を果たした09年WBCは小学4年になる直前。画面越しに熱狂した野球少年が14年後、その右腕を打って宮崎を熱くさせた。「幸せを感じながら打席に立っていた。思い出になりました」。自然と野球少年の顔に戻っていた。
「『公開処刑すんなよ』って言われたんですけど、必死にいったんで、こっちも」。ライブBPとはいえ本気だった。「正直、昨日の夜から対策してました」。捉えたのは4球目、高めツーシーム。決めに来た1球が甘く入ってきた。「ダルさんも1打席勝負と思ってきてた。2ストライク1ボールと追い込まれながらの対応を僕もしてた」と本番を想定していた。
「もう1回きそうと思って隠れてたけど、ありました」と、ダルビッシュが要求した“再戦”は一ゴロと左前打。スライダーを軽打し完全勝利だ。栗山監督からは「状態がすごく上がっているわけではない中で、結果が出るっていうことのよさはある。少年のように、野球っていいなって。ああいうのがチームの推進力になる」と評価された。夢対決が侍にエネルギーをもたらした。
練習後はマウンドで投球練習。トラックマンで136キロ、2000回転以上を計測した。遊び心も忘れない23歳は「ダルさんの球を見られたことも野球人生にとって財産。これから先につながる」。日本の4番候補は至福の時を経て、さらに大きくなる。【中野椋】




