芝を制する者は守備を制す-。侍ジャパン栗山英樹監督(61)は19日(日本時間20日)、WBC準決勝メキシコ戦の前日会見で、初めて戦うローンデポパークでの守備について「環境が違っても、言い訳にしかならない。それもひっくるめて、今の選手たちだったら乗り越えてくれると信じてます」と言った。

同球場は、20年にグラウンドを天然芝から人工芝に変更。ショースポーツターフ社のもので、クッション性が高く、大リーグの選手からも、安全面において天然芝と変わらぬ品質だと評判だという。

村上宗隆内野手(23=ヤクルト)も「天然芝かなと思ったんですけど人工芝だった」と振り返るほど、限りなく天然芝に近い人工芝。「日本の球場よりも守りやすいイメージがありました。バウンドがあまり跳ねない。多少はありますけど、日本の球場の方がちょっと跳ねるところがある」と好感触を得た様子だった。

岡本和真内野手(26=巨人)は「球足はちょっと速いのかな」と印象を持った。「その分、(バウンドは)きれい。人工芝でしたし、土の部分もきれいで守りやすい」。初体験のグラウンドでも不安は少なく試合に入ることができそうだ。

栗山監督も「確かに、この人工芝、水まいたりとか、日本にあるのと違う感じはしますけど」と前置きした上で「打球の跳ね方とか、今日、見てましたけど、それも含めて、全ての条件を、何度も言いますけど、我々は、アメリカに来て、アメリカでやってる選手を倒したいと思ってやって来た」とマイナス材料にする気はない。

侍ジャパンにとって、慣れない球場への適応は課題の1つ。前回17年の準決勝米国戦は、日本屈指の名手でもある二塁菊池の失策が引き金となり、4回に先制点を献上。同点の8回1死二、三塁では前進守備を敷いた三塁松田が正面のゴロをファンブルし、三塁走者の本塁生還を許した(記録は三ゴロ)。

1つのミスが命取りになるトーナメント。選手たちが球場のコンディションについて、ファーストインプレッションで「苦手意識」を持たなかったことはプラスに働くはずだ。試合当日の練習も含め、まだ精度を高める時間はある。