声はかれていた。侍ジャパン佐々木朗希投手(21)は「本当にバッター陣に助けられて最高です。打ってくれると信じてました」と感謝をにじませた。

米国デビューは先発で4回5安打3失点。4回にL・ウリアスに甘いフォークを打たれ、先制3ランを許した。降板後はダッグアウトから身を乗り出すようにして、両手を握った。祈るような表情は、山本とともに村上にスポーツドリンクを浴びせる頃、一転、笑顔だった。

「不安もあるので」。大役を2日後に控えた練習日、本音を漏らした。“令和の怪物”と呼ばれても、国際大会は初体験。自分の球は通用するのか。1次ラウンドの快投をへても「自信」と言い切れなかった。

だが、頼れる仲間がいる。「現役のメジャーリーガーの方たちと一緒。何よりもいい経験です。日本のトップの方たちとも一緒にできて、普段とは違う刺激を感じてます」。ダルビッシュにスライダーを習っただけではない。1カ月あまりの時間は確実に糧となり、最後に不安を押しやった。

だから、こう言えた。「雰囲気も日本と違う。バッターも、すごい高いレベル。打たれたけど、いい経験になりました。自分のパフォーマンスは発揮できました」。2回には打球が直撃するアクシデントもあったが、直球29球のうち160キロ超えが26球。最速は163キロだった。打線が2回り目となり、4回2死からの3連打での失点は「(本塁打は)配球は間違ってなかった。投げきれなかったところは反省点」と受け止めた。これは1つの始まり。スカウトなどメジャー関係者64人が詰めかけた。米国に「ROUKI SASAKI」の名を刻んだ。【古川真弥】

▽ロッテ黒木投手コーチ(佐々木の投球に)「野球なので結果というのはいろいろなことが起きますし、本人は悔しい思いもあるかもしれないですけれど、胸を張っていいピッチングだったんじゃないかなと思います」

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