日本列島が“ショータイム”に酔いしれた。侍ジャパン大谷翔平投手(31)がWBC1次ラウンド初戦の台湾戦(東京ドーム)に「1番DH」で出場。初回の第1打席に右翼線二塁打で今大会初安打をマークすると、2回1死満塁で迎えた第2打席で右翼席への先制満塁弾を放ち、この回10得点に導いた。初戦から4打数3安打5打点の大暴れ。24年プレミア12で敗れた難敵に7回コールド勝ちの大勝で、WBC連覇に向けて最高のスタートを切った。
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やはり大谷は「OHTANI」だった。2回1死満塁で迎えた第2打席。台湾先発の鄭浩均の外角低め124キロカーブを右手1本ですくい上げた。打球は大きな弧を描いて右翼席へ。スタンドに飛び込んだことを確認すると、豪快なバット投げで喜びを爆発させた。打った瞬間、確信歩きの先制満塁弾に三塁ベースを回ったところで“お茶たてポーズ”も披露。極上の一杯を提供し「北山君が一生懸命考えてくれたので今後も続けられるように頑張りたい」とニヤリと笑った。
大谷の目の覚めるような当たりから日本の戦いが幕を開けた。「1番 指名打者 大谷翔平」のアナウンスに割れんばかりの大歓声。そこから息つく間もなく、初球の148キロ直球を鮮やかに振り抜いた。打球は一瞬にして右翼線へ。NPB公認速報アプリ「NPB+」によると、打球速度は188・5キロ。「初戦なのでみんな硬くなるところですし、しっかりとアグレッシブにいい球を打ちたいと思っていた」と痛烈な二塁打を振り返った。
試合前から好調の予感はこれ以上ないほど漂っていた。グラウンドでフリー打撃を実施し、21スイングで10本の柵越え。大型ビジョンに直撃する打球を3本、さらにその上の照明まで飛ばす超特大弾を2本打った。格別の“ショータイム”に、台湾の選手や海外メディアも驚きを通り越して笑うしかなかった。
指揮官の期待に応えて打線をけん引した。強化試合では2試合で計5打数無安打。だが、もはやそれで信頼が揺らぐような選手ではない。1番で起用した井端監督は「強化試合は調整段階で、彼のルーティンとかを試しながらではあったのかなと。試合前のルーティン的なものを裏で見てましたけど、試合に入る準備含めてさすがだな」と最敬礼を送った。
大谷の満塁弾で火がついた打線は、打者一巡の猛攻で2回だけで一挙10得点を挙げた。大谷は4打数3安打5打点でサイクル安打も見えるような大活躍。超攻撃型のリードオフマンとして完璧に役割をこなした。試合後には「球場全体で盛り上げていただければ励みになるので、よろしくお願いします」とファンにお願い。千両役者「OHTANI」のバットから、日本のWBC連覇への道のりが始まった。【水谷京裕】
▽吉田(大谷について)「1打席目からチームを勢いづけてくれますし、満塁の場面で点を取ってくれて、あの回ビッグイニングだった。(4番?)みんな4番を打てるバッターばっかりなので打線の線になれるように」
▽村上(打線の強みについて)「ショウヘイ・オオタニがいるところですかね。(打撃練習では大谷と)一緒に打とうぜ! って言ってました」

