ひとつの夢を現実にした思いだろう。WBO世界ミニマム級王者谷口将隆(27=ワタナベ)が1月6日、ベルトを掲げて母校の京都・龍谷大を凱旋(がいせん)訪問した。
入澤崇学長(66)らを表敬訪問した後、汗を流してきたボクシング部へ行き、後輩たちにベルトを触らせた。同大学から初の世界王者。龍谷大は昨年度の関西ボクシングリーグ戦2部で優勝を飾った。上向きな勢いの中で届いたのが、先輩の快挙だった。
谷口は昨年12月14日、前王者ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)に11回TKO勝ちで戴冠。出迎えた入澤学長は「うちの大学から初の世界王者ですから。コロナ禍でつらい日々を送る学生にとって希望の星です」と熱烈歓迎した。
谷口は「大学の4年間、濃い時間を過ごせた。(約3年ぶりに)凱旋できたのはすごくうれしい」。苦楽を味わった学生時代。その原点に立ち返ることができ、今後はベルトを守る目標に駆り立てられた。
すでに軽い練習を開始しており、ワタナベジムの渡辺均会長は4月に初防衛戦を計画しているという。ただ、そこで立ちはだかるのがまたもコロナだ。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染が拡大しており、先行きが見通せない。現状では、海外から対戦相手が来日することは難しい。谷口は神戸市出身だけに関西での試合も選択肢にあるとした渡辺会長だが、「現状は全くの白紙」と苦い表情を浮かべるしかなかった。
谷口は「昨年は挑戦者。今年は王者としての力を証明したいと思っている。新しい経験をして見えてきたものがある。(先へ進む)選択肢は広がったと思うので、王者として戦いたい」。希望に燃える新王者の意欲をコロナに阻まれたくはない。【実藤健一】


