この時を待ちわびていた相撲ファンも多いのではないだろうか。名古屋場所を終えて一息つくと、いよいよ夏巡業が始まる。コロナ禍前の19年12月の冬巡業以来、約2年8カ月ぶりの開催。各実行委員会では、チケットの販促や会場設営など来る日に備えて準備を進めている。

今回の開催地は首都圏の5カ所(8月5日=東京・立川、6日=千葉・船橋、7日=さいたま市、11日=茨城・古河、14日=埼玉・春日部)。このうち31年ぶり2度目の開催となる茨城・古河会場では、既に約2000席のチケットが完売した。担当者は「先行販売が始まったその日に売り切れになりました」と人気の高さに驚く。コロナ禍でも同会場では、ファンをもてなす心遣いを忘れない。禁じ手をユーモアを交えて紹介する「初切(しょっきり)」、相撲甚句、公開稽古、幕内取組などの恒例の催しに加え、力士たちとの記念撮影会も行う予定だ。なお初日の東京・立川会場のチケットは少し残っているという。

名古屋場所14日目までに戦後最多21人が休場に追い込まれるなど、コロナの感染拡大は止まらない。それでも、巡業は地域の活性化、普及面などで重要な役割を持つ。関係者はコロナ対策のさらなる徹底を図り、ファンに満足してもらえるよう努力している。【平山連】